在留カードの更新申請をしたのに、なかなか結果が出ないときは、対応が遅れている原因や確認方法、そして正しい対処法を知っておくことが重要です。
在留カードは、外国人が日本で合法的に滞在・就労するための重要な身分証です。更新が遅れると、外国人本人としては「不法滞在になってしまうのでは」と不安になりますし、雇用する企業にとっても大きな問題となります。
本記事では、在留カードの更新申請が遅れている理由は何か、どうすれば状況を確認できるのか、不安なときに取るべき正しい対応とは何かなどを、わかりやすく整理して解説します。外国人本人の方はもちろん、外国人を雇用する企業の担当者にとっても、安心して働ける環境づくりに役立つ情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
目次
在留カードについておさらい
在留カードは、日本に中長期間滞在する外国人に対して、上陸許可・在留資格の変更・在留期間の更新といった許可が下りた際に交付される公的な書類です。
このカードは、出入国在留管理庁長官が「その外国人が日本で適法に在留していること」を証明するものであり、いわば在留資格や在留期間に関する「証明書」の役割を果たしています。特に、在留資格の変更や期間更新の際に交付される在留カードは、これまで旅券に押印されていた許可の証明に代わる「許可証」としての性格も持っています。
在留カードには、氏名・生年月日・性別・国籍または地域・住居地・在留資格・在留期間・就労の可否など、重要な情報が記載されています。これらの情報は常に最新の状態に保たれる必要があるため、内容に変更があった場合は届け出が義務づけられています。また、16歳以上の方については顔写真も表示され、本人確認のための重要な要素となっています。
在留カードを更新する必要性
外国人を採用する際には、在留カードの確認が欠かせません。これは、その外国人が自社で働くために必要な在留資格を有しているかどうかを確認するためです。
在留カードには「就労の可否」「在留資格」「在留期間」などが記載されています。これにより、外国人が日本で働くことが認められているか、どのような業務に従事できるのか、在留期限がいつまでなのかといった情報が一目で分かります。企業はこうした情報をもとに、適法な雇用かどうかを判断しなければなりません。
もし、在留カードの確認を怠って、就労資格のない外国人を雇用してしまった場合、企業側も法的責任を問われる可能性があります。不法就労助長罪に該当すると、3年以下の懲役または最大300万円以下の罰金が科されることもあります。
こうしたリスクを避けるためには、採用時はもちろん、在留期間の満了日にも注意を払い、在留資格の有効性を定期的に確認することが大切です。企業として、継続的に在留カードの内容をチェックする体制を整えておくことが、安心・安全な雇用管理につながります。
在留カードの更新を申請するタイミング
在留カードには有効期限が設定されており、期限が切れる前に必ず更新手続きを行う必要があります。通常、この有効期限は在留期間の満了日(いわゆる在留期限)と一致しています(※永住者や16歳になる方などを除く)。
もし在留カードの有効期限を過ぎてしまうと、それは単にカードの期限切れというだけでなく、在留資格そのものの期限も切れている状態となり、不法滞在とみなされる可能性があります。企業がこのような状態の外国人を雇用し続けた場合、不法就労助長罪などに問われるリスクが生じます。そのため、雇用主は在留カードの期限管理にも十分注意を払うことが重要です。
更新手続きは在留期間満了日の3か月前から可能です。期限直前に慌てないためにも、早めに対応を進めましょう。
なお、永住者や高度専門職2号の方には在留期限はありませんが、在留カードそのものの有効期限は存在します。カードの有効期限が切れた場合、身分証として使用できなくなるほか、「常時携帯義務」に違反する可能性もあります。企業としても、永住者を雇用している場合は、在留カードの更新期限を把握しておくことが望ましいと言えるでしょう。
在留期限と在留カードの有効期限の違い
「在留期限」は、外国人が日本に滞在できる期間の最終日を指し、在留資格の有効期間そのものを意味します。この期限を過ぎてしまうと、在留資格を失い、不法滞在(いわゆるオーバーステイ)として扱われ、本人だけでなく雇用している企業にも法的責任が及ぶ可能性があります。
一方、「在留カードの有効期限」とは、身分証明書としての効力がある期間を指します。この有効期限が切れても、在留資格自体が失効するわけではありませんが、在留カードを所持・携帯していない状態と見なされ、罰則の対象となることがあります。したがって、こちらも期限内に必ず更新する必要があります。
特に注意すべき点として、永住者(高度専門職2号を含む)や16歳未満の方を除き、一般的には「在留期限」と「在留カードの有効期限」は同じ日に設定されています。意味合いは異なりますが、いずれも期限の管理と更新手続きが非常に重要です。外国人本人はもちろん、雇用する企業側もあわせて確認し、適切に対応するようにしましょう。
在留カード更新申請の対応が遅いときの原因
在留カードの更新手続きにおいて、地方出入国在留管理局(入管)の審査が遅れる背景には、いくつかの要因があります。
まず第一に、申請件数の増加が挙げられます。特に年度末や新年度の前後は、留学生や就労ビザの更新が重なり、窓口が大変混雑します。そのため、処理に通常より時間がかかる傾向があります。
次に、申請書類の不備や記載ミスも審査遅延の原因です。たとえ小さな誤りでも、入管側での確認作業が必要となり、審査が一時中断されることがあります。
さらに、申請者の職務内容や在籍企業の状況によっては、追加資料の提出を求められるケースもあります。このような確認が必要となった場合、審査期間が延びる可能性があります。
また、入管自体の職員数や業務体制にも限りがあるため、担当部署の処理が追いつかず、全体として審査が遅れることもあります。
こうしたリスクを避けるためには、必要書類を正確に整え、できるだけ早めに申請を行うことが大切です。
在留カードの更新にかかる日数
在留カードの更新には、一般的に2週間から3カ月ほどの時間がかかるとされています。
ただし、実際の審査期間は、申請する時期や地域ごとの入国管理局の混雑状況、申請内容の複雑さなどによって大きく変わります。例えば、申請者が多く集まる東京入管などでは、繁忙期に入ると2~3週間以上かかることも珍しくありません。
一方、比較的申請数の少ない地方の入管では、処理がスムーズに進むこともあり、地域による違いも無視できません。また、書類の内容に不備がないか、会社や学校から提出される証明書が正確かどうかといった点も、審査のスピードに大きく影響します。
更新手続きにかかる時間をできるだけ短くするためには、申請書類を提出する前に内容をしっかり確認し、万全の状態で提出することが大切です。遅れを防ぐためにも、在留期限の1~2カ月前には準備を始め、早めの申請を心がけましょう。
在留カードの更新申請の状況をチェックする方法
在留カードの更新申請を行った後、「現在どの段階まで進んでいるのか不安だ」と感じる方は少なくありません。
審査状況を確認する最も基本的な方法は、申請時に受け取る「受付票」に記載された情報をもとに、入国管理局に直接問い合わせることです。電話での問い合わせも可能ですが、混雑している場合はつながりにくいことがあります。
また、審査の結果は原則として郵送で通知されるため、進捗状況について詳しく教えてもらえることは少なく、「現在処理中かどうか」といった大まかな状況しか確認できないのが一般的です。より詳細な情報を知りたい場合は、本人または代理人が窓口に出向く必要があります。
申請者本人が来庁できない場合でも、委任状を準備すれば代理人による確認が可能です。審査には個人差があるため、早めの申請を心がけることが安心につながります。
なお、オンラインで申請した場合は、「在留申請オンラインシステム」内の「申請情報一覧」から「申請状態」を確認することで、進捗状況を自分でチェックすることが可能です(2025年4月現在)。
在留カードの更新申請の対応が遅いときの対処法
在留カードの更新手続きを終えたのに、通知ハガキがなかなか届かず不安に感じる方は少なくありません。
まず考えられる原因の一つが、申請時に登録した住所に誤りがあるケースです。引っ越し後に転居届を提出していなかったり、郵便局で転送手続きをしていなかったりすると、通知が旧住所へ送られてしまうことがあります。
もう一つの可能性として、申請が集中する時期などにより審査や発送が遅れているケースも考えられます。
対処方法としては、まず郵便局に転送設定がされているかを確認しましょう。そのうえで、入国管理局へ電話で問い合わせるか、必要に応じて窓口に直接出向いて確認することをおすすめします。ただし、電話は混雑してつながりにくいこともあります。
なお、通知ハガキが届いていなくても、すでに審査が完了している場合は、受付票と本人確認書類を持参すれば在留カードを受け取れるケースもあります。慌てず、まずは落ち着いて現状を確認しましょう。
入管に問い合わせる際のポイント
入管へ問い合わせをする際は、事前の準備がとても大切です。
まず、本人確認のために必要な情報として、「受付票」「在留カード番号」「申請日」などを手元に用意しておくと、やりとりがスムーズに進みます。入管の電話対応は平日かつ限られた時間にしか行われていないため、できるだけ午前中など早い時間帯にかけるのが望ましいです。
ただし、混雑していて電話がなかなかつながらないこともあります。その場合は、時間をずらして再度かけ直すか、直接窓口を訪問することも検討しましょう。
問い合わせの際は、伝えたい内容をあらかじめ簡潔にまとめ、要点を明確に伝えることが重要です。そうすることで、職員側の対応もスムーズになり、必要な情報をしっかりと得ることができます。
なお、入管の対応は基本的に日本語となるため、日本語に不安がある場合は通訳者の同伴や翻訳アプリの準備をしておくと安心です。万全な準備をして臨むことで、効率的に確認が行えます。
在留カードの更新申請が遅れたときの影響
在留カードの更新申請が遅れたときには、日常生活面、仕事・勉強面などにさまざまな影響が及びます。それぞれの影響について、順番に詳しく解説します。
日常生活に与える影響
在留カードの更新が遅れてしまうと、日常生活にさまざまな支障をきたす可能性があります。
例えば、銀行口座の開設や更新、携帯電話の契約、クレジットカードの申し込みなど、多くの手続きにおいて在留カードの提示が必要です。しかし、カードの有効期限が切れていると、これらの手続きが受けられないケースがあります。
さらに、賃貸住宅の契約更新や市役所での各種手続きでも在留カードの提示を求められることがあり、期限切れのままでは不便を感じる場面が増えてしまいます。
また、在留カードの有効期限が過ぎた状態は、一時的とはいえ不法滞在とみなされるリスクもあり、トラブルの原因になることも考えられます。
このような事態を避けるためには、在留カードの有効期限を常に意識し、余裕を持って更新手続きを行うことが大切です。申請後に発行される「受付票」は、万が一の際に事情を説明するための大切な証明となるため、必ず保管しておきましょう。
勤務先・学校に与える影響
在留カードの更新が遅れると、勤務先や学校など、所属先にも影響が及ぶ可能性があります。
企業に雇用されている場合、有効な在留カードを提出できないことで、会社側が法的なリスクを避けるために雇用を一時停止したり、契約内容の見直しを求めてくることがあります。雇用継続が難しいと判断されるケースもあるため、注意が必要です。
また、学生として在籍している場合も、在留資格を証明できない状態が続くと、出席停止や学校登録の抹消といった措置が取られる可能性があります。
いずれの場合も、「在留カード更新中」であることを証明する「受付票」があれば、当面の間は在留資格の証明として扱われることが一般的です。ただし、受付票の提出が遅れたり、更新手続き自体が遅れたりすると、所属先との信頼関係に悪影響を及ぼす恐れもあります。
特に、アルバイト先や留学生を多く受け入れている教育機関では、法令順守の観点から管理が厳格に行われているため、早めに更新状況を報告し、適切な対応を取ることが重要です。
在留カードの更新申請に必要な手続き
これから在留カードの更新申請を行う方に向けて、主な必要書類と大まかな手続きの流れについて解説します。
必要書類
在留カードの更新申請を行う際には、まず「在留期間更新許可申請書」を準備する必要があります。そのほか、縦4センチ・横3センチの顔写真、現在の在留カード、パスポート、または在留資格証明書の提出も求められます。
さらに、在留資格の内容に応じて、活動内容を示す補足資料の提出が必要です。例えば、転職している場合には「資格外活動許可書」など、追加書類が必要になるケースもあります。
なお、提出書類の種類は在留資格ごとに異なるため、事前に必要書類をしっかり確認しておくことが重要です。不備があると申請が受理されなかったり、手続きが大幅に遅れる可能性がありますので、注意して準備を進めましょう。
更新手続きの流れ
在留カードの更新手続きは、「在留期間更新許可申請書」と必要な添付書類の準備から始まります。書類がそろったら、管轄の出入国在留管理局の窓口に提出しましょう。
申請後は、通常2週間から3カ月ほどの審査期間がかかります。問題がなければ、審査完了後に入管から通知のハガキが届きます。
通知を受け取ったあとは、現在の在留カードとパスポート、そして4,000円分の収入印紙を持参し、窓口で新しい在留カードを受け取ります。
なお、オンライン申請を行った場合は、審査完了後に新しい在留カードが自宅へ郵送される仕組みとなっています。スムーズな受け取りのためにも、事前に必要書類や手順をしっかり確認しておきましょう。
よくある質問
最後に、在留カードの更新申請に関してよくある質問と回答をまとめました。
在留カードの更新申請中に有効期限が切れてしまったら?
在留カードの更新手続きには、おおよそ2週間から3カ月程度の審査期間が必要とされています。そのため、ギリギリのタイミングで申請を行うと、カードに記載された在留期限を過ぎてしまう場合があります。
しかし、更新申請を一度でも行っていれば、たとえ在留期限を超えても、最大で2カ月間の「特例期間」が認められます。この期間中は、在留カードの裏面に「手続中」のスタンプが押され、引き続き合法的に滞在・就労が可能です。
審査結果が出るまでは、追加の申請手続きは必要ありません。ただし、申請時に発行される「受付票(受理票)」は、手続き中であることを証明する大切な書類となりますので、紛失しないように大切に保管してください。
在留カードの更新申請をせずに有効期限が切れてしまったら?
在留カードの有効期限を過ぎても更新手続きを行わなかった場合、永住者を除く外国人は「不法滞在」と見なされます。不法滞在には、最長で3年以下の懲役または300万円以下の罰金といった厳しい罰則があり、強制退去の対象となる可能性もあります。
ただし、意図的ではなく、数日間うっかり期限を過ぎてしまった場合には、速やかに最寄りの出入国在留管理局に出向いて事情を説明すれば、状況によっては担当官の判断で更新手続きを受け付けてもらえる場合があります。
その際には、パスポートと在留カードに加えて、期限を過ぎた理由を記載した文書を提出する必要があります。更新が遅れた場合も、誠実に対応することが重要です。
在留カードを失くしてしまったら?
在留カードを紛失したことに気付いた場合は、できるだけ早く対応することが重要です。まず、最寄りの警察署で遺失物届を提出し、「遺失物届出証明書」を取得してください。
そのうえで、次の書類を持参し、居住地を管轄する出入国在留管理局で再交付の申請を行います。
- 遺失物届出証明書
- パスポート
- 顔写真(縦4cm×横3cm)
通常、申請はその日のうちに処理され、新しい在留カードが即日交付されます。なお、手数料はかかりません。
在留カードは外国人にとって最も重要な身分証明書のひとつであり、常時携帯が法律で義務付けられています。法律上、紛失から14日以内に再交付申請を行う必要がありますので、紛失した際は速やかに手続きを進めましょう。
終わりに
在留カードの更新が遅れてしまうと、日常生活だけでなく、就労や就学にも大きな支障をきたす可能性があります。そのため、必要書類の準備を早めに始め、更新申請のタイミングを見誤らないことが非常に重要です。
また、入国管理局の審査状況を正確に把握するためには、申請時に受け取る受付票をきちんと保管し、必要に応じて窓口や電話で状況を確認することが欠かせません。オンライン申請を利用する場合でも、制度の仕組みや制限を十分に理解したうえで進めることが大切です。
在留資格を適切に維持するには、単に期限内に手続きするだけではなく、日頃からの情報収集や計画的な準備・対応が求められます。安心して日本での生活を続けるためにも、制度への正しい理解と余裕を持った対応を心がけましょう。
しらき行政書士事務所では、在留カードの更新申請手続きに関して、初回相談無料で対応しております。
対面での面談がご心配な方や、遠方で直接お会いすることが難しい方、受付時間内にお時間が取れない方にも、お気軽にご相談頂けるように各種オンラインツール(ZOOM、LINE、WeChat、Skypeなど)を利用しての面談にも対応しております。
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