- 愛媛県の外国人雇用状況を知りたいです。
- 愛媛県で外国人を雇用するためには、どんな手続きが必要でしょうか。
愛媛県では、約1万人もの外国人労働者が働いています。
愛媛県で外国人を雇用したいと考えた時、実績があるのはどんな会社なのか、どのような外国人が雇われているのか気になりますよね。
この記事では、愛媛県における外国人の雇用状況を在留資格別や産業別に紹介しています。
外国人のビザ手続きの専門家で、様々なケースでの外国人雇用手続きをお手伝いしてきた香川県の行政書士が解説していきます。
愛媛県で外国人の雇用についてお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
愛媛県の外国人雇用状況
令和5年1月27日に愛媛労働局から発表された、令和4年10月末の愛媛県の外国人雇用状況についてのデータは以下のとおりです。
① 外国人労働者数は 10,201 人で、前年同期比 632 人、6.6%の増加
https://jsite.mhlw.go.jp/ehime-roudoukyoku/content/contents/001360328.pdf
② 外国人労働者を雇用する事業所数は 1,986 か所で、前年同期比 67 か所、3.5%の増加(事業所数は、平成 19 年に届出が義務化されて以降、過去最高を更新)
愛媛県において、外国人労働者の人数・事業所数共に、令和4年度は増加しています。
令和3年は令和2年よりも外国人労働者数が減少していたため、令和4年度は再び増加傾向になってきてはいますが、令和2年の労働者数には及んでいません。
事業所数については過去最高となっているにも関わらず、労働者数は最高数ではないことから、1つの事業所における採用人数は若干減少していると考えられます。
労働者数の増減には波がありますが、事業所数は右肩上がりで伸びています。
在留資格別
④ 在留資格別では、「技能実習」が最も多く 5,585 人(外国人労働者数全体の54.7%)、次いで「専門的・技術的分野の在留資格」が 2,258 人(同 22.1%)
https://jsite.mhlw.go.jp/ehime-roudoukyoku/content/contents/001360328.pdf
⑦ 平成 31 年4月に創設された在留資格「特定技能」の外国人労働者数は 1,059 人で、前年同期比 707 人、200.9%の増加
在留資格別にみると、愛媛県の外国人労働者は「技能実習」が約半分を占めています。
全国的なデータを見ると、技能実習での採用は全体の2割弱。
愛媛県における技能実習の外国人の割合は、全国平均よりも大きく上回っていると言えます。
国内人材を確保するのが難しい12分野において外国人を受け入れられる「特定技能」資格に関しては、前年度の約3倍にも増加しました。
特定技能分野での外国人需要が高まってきていることがわかります。
国籍別
③ 国籍別では、ベトナムが最も多く 3,218 人(外国人労働者数全体の 31.5%)、次いでフィリピン 2,233 人(同 21.9%)、中国 1,853 人(同 18.2%)の順
https://jsite.mhlw.go.jp/ehime-roudoukyoku/content/contents/001360328.pdf
愛媛県では、アジア国籍の外国人労働者が多くを占めています。全国的にも同様の傾向が見られます。
ベトナム国籍の在留外国人が多い点も、全国平均と同様です。
愛媛県では、同じ四国にある香川県や徳島県よりも、フィリピン国籍の外国人労働者が多くみられます。
愛媛大学とフィリピン大学が連携して、人材育成を行っている影響が考えられます。
地域・安定所別
⑤ 地域別では、今治地域が最も多く 2,986 人(外国人労働者数全体の 29.3%)、次いで松山地域 2,966 人(同 29.1%)
https://jsite.mhlw.go.jp/ehime-roudoukyoku/content/contents/001360328.pdf
安定所の管轄区域別の外国人労働者数をみると、愛媛県では今治地域と松山地域に約半数以上の外国人労働者がいるとわかります。
市町村別の人口においては、松山地域は今治地域の5倍の人数に上ります。
今治地域では特に製造業が多いため、外国人労働者の人数が特に多くなっていると考えられます。
産業別
⑥ 産業別では、製造業が最も多く、事業所数 775 か所(事業所数全体の 39.0%)、労働者数 5,581 人(外国人労働者数全体の 54.7%)
https://jsite.mhlw.go.jp/ehime-roudoukyoku/content/contents/001360328.pdf
愛媛県では、製造業の外国人労働者が半数以上を占めています。
外国人労働者の多い今治地域では、製造業の割合が7割以上もあります。
医療福祉分野では前年より30%も増加していることから、福祉分野での採用が今後ますます増えていくことが考えられます。
愛媛県の外国人雇用の手続き
外国人の雇用は、以下の順で手続きを進めていきます。
- 面接
- 内定
- 在留資格認定証明書交付申請
- 認定証明書交付
- ビザ申請
- ビザ発給
- 来日
- 上陸許可
- 就労開始
内定が決まっていても、在留資格認定証明書が交付されてビザの取得ができないと、就労を開始できません。
技人国ビザの手続き
技人国ビザ申請の手続きについて、外国人の要件と会社側の必要書類について紹介します。
要件
- 大学・短大・日本の専門学校を卒業している
- 専攻と業務内容が一致している
- 業務に専門性がある
- 日本人と同等の報酬
- 会社の経営状態が安定している
必要書類
必要書類は、会社規模によって分けられたカテゴリーによって異なります。
カテゴリー1(上場企業など)やカテゴリー2(前年分の給与所得の源泉徴収税額が1,000万円以上ある企業など)に当てはまる企業は、カテゴリーを証明する書類のみが必要となります。
カテゴリー3は、前年分の給与所得の源泉徴収票等が提出されており、源泉徴収税額が1,000万円未満の企業や個人が当てはまります。
必要となるのは以下の書類です。
- 登記事項証明書
- 事業内容を明らかにする資料
- 直近の年度の決算文書の写し
- 事業計画書(新規事業の場合)
- 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
カテゴリー4は、設立して間もない企業です。
必要となるのは以下の書類です。
- 登記事項証明書
- 事業内容を明らかにする資料
- 直近の年度の決算文書の写し
- 事業計画書(新規事業の場合)
- 給与支払事務所等の開設届出書の写し
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の写し
詳しくは、出入国在留管理庁の技術・人文知識・国際業務ページからご確認いただけます。
特定技能の手続き
特定技能の手続きについて、外国人の要件と会社側の必要書類について紹介します。
要件
- 技能試験の合格
- 日本語試験の合格(1号のみ)
必要書類
- 申請人に関する必要書類
- 所属機関に関する必要書類
- 分野に関する必要書類
申請人に関する必要書類は、在留資格認定証明書交付申請書や報酬の説明、契約書などを含め11種類の書類が必要となります。
所属機関に関する必要書類は、企業の規模や、法人か個人かによって異なります。
分野に関する書類も必要となりますが、特定技能の12分野毎に必要な書類が異なります。
詳しくは、出入国在留管理庁の特定技能ページ「分野に関する必要書類」からご確認いただけます。
技能実習の手続き
技能実習の手続きについて、外国人の要件と会社側の必要書類について紹介します。
要件
① 18歳以上であること。
https://www.mhlw.go.jp/content/000622693.pdf
② 制度の趣旨を理解して技能実習を行おうとする者であること。
③ 本国に帰国後本邦において修得等をした技能等を要する業務に従事することが予定されていること。
④ 企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては、申請者の外国にある事業所又は第二条の外国の公私の機関の外国にある事業所の常勤の職員であり、かつ、当該事業所から転勤し、又は出向する者であること。
⑤団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、本邦において従事しようとする業務と同種の業務に外国において従事した経験を有すること又は団体監理型技能実習に従事することを必要とする特別な事情があること。
⑥団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、当該者が国籍又は住所を有する国又は地域の公的機関から推薦を受けて技能実習を行おうとする者であること。
⑦ 過去に第1号技能実習を利用したことがない
必要書類
- 技能実習計画認定申請書
- 理由書及び規則第3条第2号の基準への適合性を立証する資料
- 申請者の概要書
- 登記事項証明書(法人の場合)
- 住民票の写し( 個人事業主の場合)
職種によって、追加で提出が必要な書類があります。
詳しくは、出入国在留管理庁の技能実習ページからご確認いただけます。
まとめ
愛媛県の外国人雇用状況と外国人雇用の手続きについて紹介しました。
- 在留資格別にみると、「技能実習」が 半数以上
- 国籍別ではベトナムが最も多いが、他県と比較するとフィリピンの割合が多い
- 事業所別の外国人労働者数は、松山地域を押さえて今治地域が一番多い。市町村の人口には比例しない。
- 産業別にみると、製造業が多い
愛媛県では、技能実習生としての受け入れを他県よりも多く行っています。
外国人雇用のビザ申請手続きは在留資格によって異なるので、要件や必要書類の違いに注意が必要です。
適切な外国人雇用で、人手不足の解消や事業の拡大を目指しましょう。