「香川県の外国人雇用状況を知りたいです。」
「香川県で外国人を雇用するためには、どんな手続きが必要でしょうか。」
香川県では、約1万人もの外国人労働者が働いています。
香川県で外国人を雇用したいと考えた時、実績があるのはどんな会社なのか、どのような外国人が雇われているのか気になりますよね。
この記事では、香川県における外国人の雇用状況を在留資格別や産業別に紹介しています。
外国人のビザ手続きの専門家で、様々なケースでの外国人雇用手続きをお手伝いしてきた香川県の行政書士が解説していきます。
香川県で外国人の雇用についてお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
香川県の外国人雇用状況
令和5年1月27日に香川労働局から発表された、令和4年10月末の香川県の外国人雇用状況についてのデータは以下のとおりです。
【届出状況のポイント】
https://jsite.mhlw.go.jp/kagawa-roudoukyoku/content/contents/001363147.pdf
- 外国人労働者数は 10,274 人で、前年同期比 319 人(3.2%)増加(※2)。
- 外国人労働者を雇用している事業所数は 1,845 か所。前年同期比 51 か所(2.7%)減少。
香川県において、外国人労働者の人数は増えていますが、事業所数は減少しています。
このことから、1つの事業所における外国人労働者の人数が増加しているということが言えるでしょう。
外国人労働者を既に採用している事業所が、外国人労働者の魅力を感じ、更に採用を増やしていると推測されます。
在留資格別
(2)在留資格別にみると、「技能実習」は 4,887 人と前年同期比で 334 人(6.4%)減少し、外国人労働者数全体の 46.7%を占めている。「専門的・技術的分野の在留資格」が23.2%、次いで「身分に基づく在留資格」が 17.7%、「資格外活動(留学)」を含む「資格外活動」が 6.4%となっている。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagawa-roudoukyoku/content/contents/001363147.pdf
在留資格別にみると、「技能実習」が約半分を占めています。
2番目に多いのは「専門的・技術的分野の在留資格」で2,386人、約1/4の割合です。
「専門的・技術的分野の在留資格」のうち、技術・人文知識・国際業務(技人国)の在留資格は 703人となっています。
専門的・技術的分野の在留資格には、技人国ビザだけでなく、特定技能なども含まれています。
3番目に多いのは、永住者や日本人の配偶者など「身分に基づく在留資格」の労働者です。1,817 人の外国人労働者が働いています。
国籍別
(1)国籍別にみると、ベトナムが最も多く 3,051 人であり、外国人労働者数全体の29.7%を占める。次いで、中国(香港等を含む。以下同じ。)が 1,905 人(同 18.5%)、フィリピンが 1,605 人(同 15.6%)、インドネシア 1,343 人(同 13.1%)の順となっている。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagawa-roudoukyoku/content/contents/001363147.pdf
香川県で働いている外国人労働者について国籍別にデータをまとめると、ベトナム国籍の労働者が3割、中国国籍の労働者が2割となっており、東南アジア圏国籍の労働者が多くを占めています。
ベトナム国籍の労働者の在留資格は、技能実習が6割です。中国国籍の労働者の在留資格も技能実習が3割と、どの国籍でも技能実習で学びながら働いている外国人が多くなっています。
全国的にも、ベトナム国籍の在留外国人は多いです。香川県では、多言語情報の提供などの施策が行われており、ベトナム語も導入されています。
産業別
(2)産業別の割合をみると、「製造業」が 31.3%を占め、「建設業」が 15.4%、「卸売業、小売業」が 12.0%の順となっている。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagawa-roudoukyoku/content/contents/001363147.pdf
建設機械や造船分野でトップクラスの企業がある香川では、協力企業が多く、製造が盛んです。
産業別割合が多い製造業において、一番多いのはものづくり基盤技術企業で約3割、次いで食品産業が1/4を占めています。
事業所規模別
事業所規模別の割合をみると、「30 人未満」規模の事業所が最も多く、1,185か所で事業所数全体の 64.2%を占めている。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagawa-roudoukyoku/content/contents/001363147.pdf
次いで、事業所数「30~99 人」規模の事業所は417か所で全体の22.6%、「100~499」人規模の事業所は193か所で全体の10.5%を占めています。
小規模な企業では、人材不足を解消するために外国人雇用が進んでいます。
安定所別
(1)県内安定所別の割合をみると、高松が 35.5%、丸亀 23.8%、坂出 18.0%、観音寺14.9%、さぬき 6.2%、土庄 1.6%の順となっている。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagawa-roudoukyoku/content/contents/001363147.pdf
具体的な人数は、高松3,644人、丸亀2,443人、坂出1,854人となっています。
続いて、観音寺、さぬき、土庄の順です。
全ての安定所において「技能実習」の割合が最も高くなっています。
香川県の外国人雇用の手続き
外国人の雇用は、以下の順で手続きを進めていきます。
- 面接
- 内定
- 在留資格認定証明書交付申請
- 認定証明書交付
- ビザ申請
- ビザ発給
- 来日
- 上陸許可
- 就労開始
内定が決まっていても、在留資格認定証明書が交付されてビザの取得ができないと、就労を開始できません。
技人国ビザの手続き
技人国ビザ申請の手続きについて、外国人の要件と会社側の必要書類について紹介します。
- 大学・短大・日本の専門学校を卒業している
- 専攻と業務内容が一致している
- 業務に専門性がある
- 日本人と同等の報酬
- 会社の経営状態が安定している
必要書類
必要書類は、会社規模によって分けられたカテゴリーによって異なります。
カテゴリー1(上場企業など)やカテゴリー2(前年分の給与所得の源泉徴収税額が1,000万円以上ある企業など)に当てはまる企業は、カテゴリーを証明する書類のみが必要となります。
カテゴリー3は、前年分の給与所得の源泉徴収票等が提出されており、源泉徴収税額が1,000万円未満の企業や個人が当てはまります。
必要となるのは以下の書類です。
- 登記事項証明書
- 事業内容を明らかにする資料
- 直近の年度の決算文書の写し
- 事業計画書(新規事業の場合)
- 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
カテゴリー4は、設立して間もない企業です。
必要となるのは以下の書類です。
- 登記事項証明書
- 事業内容を明らかにする資料
- 直近の年度の決算文書の写し
- 事業計画書(新規事業の場合)
- 給与支払事務所等の開設届出書の写し
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の写し
詳しくは、出入国在留管理庁の技術・人文知識・国際業務ページからご確認いただけます。
特定技能の手続き
特定技能の手続きについて、外国人の要件と会社側の必要書類について紹介します。
- 技能試験の合格
- 日本語試験の合格(1号のみ)
- 申請人に関する必要書類
- 所属機関に関する必要書類
- 分野に関する必要書類
申請人に関する必要書類は、在留資格認定証明書交付申請書や報酬の説明、契約書などを含め11種類の書類が必要となります。
所属機関に関する必要書類は、企業の規模や、法人か個人かによって異なります。
分野に関する書類も必要となりますが、特定技能の12分野毎に必要な書類が異なります。
詳しくは、出入国在留管理庁の特定技能ページ「分野に関する必要書類」からご確認いただけます。
技能実習の手続き
技能実習の手続きについて、外国人の要件と会社側の必要書類について紹介します。
要件
① 18歳以上であること。
https://www.mhlw.go.jp/content/000622693.pdf
② 制度の趣旨を理解して技能実習を行おうとする者であること。
③ 本国に帰国後本邦において修得等をした技能等を要する業務に従事することが予定されていること。
④ 企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては、申請者の外国にある事業所又は第二条の外国の公私の機関の外国にある事業所の常勤の職員であり、かつ、当該事業所から転勤し、又は出向する者であること。
⑤団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、本邦において従事しようとする業務と同種の業務に外国において従事した経験を有すること又は団体監理型技能実習に従事することを必要とする特別な事情があること。
⑥団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、当該者が国籍又は住所を有する国又は地域の公的機関から推薦を受けて技能実習を行おうとする者であること。
⑦ 過去に第1号技能実習を利用したことがない
必要書類
- 技能実習計画認定申請書
- 理由書及び規則第3条第2号の基準への適合性を立証する資料
- 申請者の概要書
- 登記事項証明書(法人の場合)
- 住民票の写し( 個人事業主の場合)
職種によって、追加で提出が必要な書類があります。
詳しくは、出入国在留管理庁の技能実習ページからご確認いただけます。
まとめ
香川県の外国人雇用状況と外国人雇用の手続きについて紹介しました。
- 在留資格別にみると、「技能実習」が 半数
- 国籍別では、ベトナムが最も多い
- 産業別の割合をみると「製造業」が多い
- 事業所規模別の割合をみると、「30 人未満」規模の事業所が最も多い
香川県では製造業での外国人雇用が多く、技能実習生としての受け入れを多く行っていますが、他の在留資格での雇用もみられます。
外国人雇用のビザ申請手続きは在留資格によって異なるので、要件や必要書類の違いに注意が必要です。
適切な外国人雇用で、人手不足の解消や事業の拡大を目指しましょう。