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経営管理ビザで飲食店を始めるには

特定技能「外食業」などのビザを保有している外国人の料理人の方が、独立開業して飲食店を経営するためには、経営管理ビザの取得と飲食店営業許可の取得が求められます。

経営管理ビザの取得にあたっては、従業員の雇用や店舗準備なども行わなければなりません。また、ビザが下りるまでは飲食店を営業できないといった注意点もありますので、事前に把握しておきましょう。

この記事では、経営管理ビザで飲食店を始めたい外国人の方に向けて、在留資格の取得をサポートする行政書士が、経営管理ビザや飲食店営業許可の取得手順や、注意点について分かりやすく解説します。

外国人が日本で飲食店を始めるには経営管理ビザの取得が一般的

外国人が日本で飲食店を経営するためには、以下のような在留資格の取得が求められます。

  • 永住者
  • 定住者
  • 日本人の配偶者等
  • 永住者の配偶者等
  • 経営管理

このうち、特定技能「外食業」のビザを保有している外国人の料理人の方が、日本において独立開業して飲食店を経営したいというケースでは、経営管理ビザの取得を目指すのが一般的です。

経営管理ビザとは、正式名称を「経営・管理」とする在留資格のことです。経営管理ビザに該当する活動は、以下のとおり定められています。

本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(入管法別表第一の二の表の法律・会計業務の項に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く)

上記の該当例としては、企業の経営者・管理者などが挙げられます。経営管理ビザでは、日本で適法に行える事業であれば、いかなる業種でも認められます。

ただし、許認可が必要な事業については、経営管理ビザの申請時に許認可を取得している必要があります(少なくとも、許認可の申請をすでに済ませていなければなりません)。飲食店を経営する場合、食品衛生法にもとづき、あらかじめ店舗所在地を管轄する保健所において、飲食店営業許可を取得しておく必要がある点に留意しておきましょう。

経営管理ビザ取得の流れ

日本で独立開業して飲食店を経営したいという外国人の方にとって、経営管理ビザを取得する重要性について理解できたと思います。

それでは、実際に経営管理ビザを取得するためには、どのような手続きを経れば良いのでしょうか。経営管理ビザ取得までの大まかな流れは以下のとおりです。

  1. 法人の設立
  2. 店舗の準備
  3. 従業員の雇用
  4. 飲食店営業許可
  5. 出入国在留管理局での申請

それぞれのステップについて順番に解説しますので、事前に概要を把握しておきましょう。

法人の設立

まずは法務局にて、飲食店を経営する法人を設立します。事業の目的には飲食店経営の項目が必要不可欠です。

なお、経営管理ビザの取得にあたっては、個人事業でも問題はありません。しかし、個人事業の場合、実際に500万円以上を経費として使用する、もしくは日本人または永住者の正社員を2人以上雇用する必要があります。

法人設立後は、税務署への各種届出・社会保険加入なども忘れずに行ってください。

店舗の準備

実際に飲食店を営業するテナントを確保しましょう。本店所在地と同一にする場合には、帳簿の作成などの事務スペースも確保しなければなりません。

テナントにおいて、飲食店を営むための必要な設備を整えられているかどうかも重要なポイントです。また、看板を掲げていることや、店舗の名義や使用権があるかどうかなどについてもチェックしなければなりません。

従業員の雇用

経営管理ビザは、外国人の方が日本で経営・管理の活動をするために設けられています。このビザでは、飲食店を経営する場合でも、オーナー自身が調理・接客をする現業活動は基本的に認められません。オーナーは従業員を雇用し管理することが役割であるためです。

従業員を雇う際は、営業時間・席数・従業員の勤務可能時間なども考慮し、必要な人数を決める必要があります。また、外国人留学生など就労時間に制限がある従業員を雇用する場合、それに合わせたシフトを組むことも重要です。

このように、経営管理ビザを利用した飲食店の経営では、従業員の雇用が必要不可欠です。経営管理ビザでは、原則として現行活動が禁止されていますが、管理の一部として短時間の現業に従事することは許されます。

例えば、従業員の勤務管理のために短時間手伝う、急なシフト変更や欠員により一時的に手伝うなどの場合は、経営管理ビザの範囲内とみなされるのが一般的です。

飲食店営業許可

内装工事を終えた後に営業店舗を管轄する保健所にて営業許可申請をしてください。日本では、営業許可を受けずに飲食店を開いた場合、懲役や罰金などの刑罰や行政処分に科されます。

飲食店営業許可免許は、シンク・手洗い場・食器棚・冷蔵庫など店舗設備に一定の要件を満たしたうえで、管轄する保健所に申請をすることで取得できます。

主な設備の要件としては、以下のとおりです(保健所によって異なるため、詳細は店舗所在地を管轄する保健所にご確認ください)。

  • 厨房の床が清掃しやすい構造になっていること
  • 「厨房に2層シンクが設置されている」こと、シンク1槽のサイズが「幅45cm×奥行き36cm×深さ18cm」以上であること
  • 厨房内、トイレ内にそれぞれ「幅36cm×奥行き28cm」以上の大きさの手洗器が設置されていること
  • 手洗器に設置されている消毒器が固定式であること
  • 厨房と客室が扉等で区分されていること
  • 厨房内に冷蔵庫等の設備が収まっていること
  • 冷蔵庫に温度計が設置されていること
  • 厨房内に蓋付きのゴミ箱があること
  • 食器棚に戸がついていること

また、人に関する要件は以下のとおりです。

  • 申請者(お店の営業者)が欠格事由に該当していないこと
  • 店舗に食品衛生責任者を置くこと

加えて、講習を受けて「食品衛生責任者資格」を取らなければなりません。食品衛生責任者となるためには、各都道府県にある衛生協会が実施している講習を受ける必要があります。ただし、日本の調理師や栄養士等の資格をすでに持っていれば、講習を受けなくても食品衛生責任者になることが可能です。

出入国在留管理局での申請

保健所からの飲食店営業許可がなされた後で、出入国在留管理局に申請をします。

経営管理ビザの審査期間は、一般的には申請から結果まで約3ヶ月前後です。当局から追加して書類や説明を求められた場合、当局の繁忙期にはそれ以上かかる場合もあります。

経営管理ビザの一般的な流れは、以下のとおりです。

  1. 経営管理ビザ申請のための準備(証拠書類の収集や事業計画書作成)
  2. 出入国在留管理庁へ申請
  3. 審査
  4. 追加書類等の徴求
  5. 許可・不許可の通知

経営管理ビザの申請書類の準備に1ヶ月程度、申請から許可通知まで3ヶ月程度で、合計4〜5ヶ月程度が1つの目安です。

飲食店営業許可の取得の有無や案件の審査状況によって、より時間がかかる場合もあります。飲食店開店までのスケジュールやそれまでの資金の計画には、あらかじめ少し余裕を持って計画をしておくことが望ましいです。

飲食店を始めるために経営管理ビザを取得する際の注意点

飲食店を始めるにあたって経営管理ビザを取得する際には、いくつかの注意点があります。特に問題となりやすい注意点を4つピックアップし、順番に解説していきますので、把握しておきましょう。

事業計画の策定

経営管理ビザの申請には、事業計画書の策定・提出が必要です。飲食店を経営する際の事業計画では、特に売上計画が重要です。これには、客単価(1人当たりの平均消費額)と1日の来店客数の予測が必要です。

客単価と来店客数を掛け合わせることで、1日の売上見込みが算出されます。さらに詳細な計画を求める場合、曜日や時間帯ごとの売上見込みも計算すると良いでしょう。

事業計画には経費の計算も不可欠です。料理提供には食材が必要で、調理には電気やガス、食器洗いには水が使われます。これらの食材費や水道光熱費を計算し、原価を割り出し、それにもとづいてメニューの価格を設定します。

人件費・賃料・広告費なども、経費に含まれます。特に人件費は飲食店経営で大きな割合を占めるため、営業時間・席数・従業員の勤務可能時間を考慮して計算することが大切です。正社員を雇う場合は、社会保険料も考慮に入れましょう。

「飲食店営業許可」以外の許認可の取得

飲食店を営業するためには、飲食店営業許可以外にも、以下のような許認可を取得する(届出を行う)必要があります。

消防署への防火管理者の届出

30人以上収容できる比較的大きなお店を開く場合、店舗を管轄する消防署に「防火管理者」の届出が必要。

  • 延床面積が300平方メートル以上:甲種防火管理者
  • 延床面積が300平方メートル未満:乙種防火管理者
警察への届出

夜中の12時を過ぎてもお酒を提供するケースや、主にお酒を出すケースの場合、「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」を、営業開始の10日前までに警察に提出する必要がある。

お店のスタイルによっては「風俗営業許可」の届出をださなければいけない場合もある。

飲食店事業の実務経験

経営管理ビザを取得するためには、該当する業種における実務経験があるかどうかもチェックされます。また、以下のような項目もチェック対象です。

  • なぜ日本で起業することとなったのか
  • なぜ日本で飲食店を行うこととなったのか

長年勤めてきたお店で飲食店事業に携わっており、独立するような場合には簡単に説明できる内容だと思います。

たとえ経験がない場合であっても、大学等で経営学・経済学を学んで卒業されたような場合や調理師免許を取得しているような場合にも説得力の強い説明が可能でしょう。

まったく経験がなく知識もないという場合、シェフ・料理人などのスタッフが確保されていなければ、経営の安定性・継続性に問題があると判断されてしまい、ビザを取得できないおそれがあります。

日本語能力の証明

日本で飲食店を始める場合、仕入れや販売するにあたり日本語でのやり取りが求められるようになります。申請者本人に日本語能力がない場合、日本語のできる方を雇用することでカバーすることも可能です。

また、仕入れや販売先が自身の母国語や英語によって取引できるようなケースでも問題はありません。

終わりに

特定技能「外食業」などのビザを保有している外国人の料理人の方が、独立開業して飲食店を経営するためには、経営管理ビザの取得と飲食店営業許可の取得が求められます。

そのほか、経営管理ビザの取得にあたっては、従業員の雇用や店舗準備なども行わなければなりません。加えて、ビザが下りるまでは飲食店を営業できないといった注意点もありますので、事前に把握しておきましょう。

経営管理ビザの取得を考えている外国人の方で「ビザについて、もっと詳しく教えてほしい」「手続きが複雑なので、スムーズに進められるようサポートしてほしい」といったお悩みを抱えている場合には、お気軽にお問い合わせください。

当事務所では、これまで外国人の方の経営管理ビザ取得に関するご相談への対応や手続きをサポートしてまいりました。しらき行政書士事務所では初回のご相談は無料となっておりますので、少しでもビザの手続きについて不安をお持ちの方はお気軽にお問合せ下さい。

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