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プロバスケットボール選手のビザについて

日本国内で外国人プロバスケットボール選手が活動し、収入を得るためにはビザを取得する必要があります。バスケットボール選手向けのビザにはいくつかの種類がありますが、長期的に活動するためには「興行ビザ」の申請が必須です。

この記事では、プロバスケットボール選手のビザ申請に必要な情報を分かりやすく解説します。

外国人のプロバスケットボール選手に欠かせないビザ

外国人のプロバスケットボール選手が日本でプレーするために欠かせない在留資格は、基本的に「興行ビザ」です。

まず興行ビザとは、演劇や舞踊、コンサート、芸能活動、そしてスポーツなどにおいての「興行活動」を行うために欠かせないビザです。

例を挙げるとプロサッカー選手やダンサー、映画やCM・ドラマに出演する俳優などが体表的です。

具体的に興行ビザには、以下のように活動形態によって4つに分類がされており、バスケットボール選手のケースでは「基準3号」が該当します。

  • 基準1号:レストランやクラブなどにおける演芸、歌謡、舞踊活動を行うケース
  • 基準2号:学校や劇場、その他地方公共施設においてコンサートなどの興行活動を行うケース
  • 基準3号:野球、サッカー、格闘技などスポーツ活動に従事するケース
  • 基準4号:映画制作、テレビ番組への出演、CM撮影など芸能活動を行うケース 

プロバスケットボール選手の興行ビザ取得要件

外国人本人の実績や活動内容による影響はありませんが、プロチームを持つ企業や団体と「プロ契約」を締結していること、また、日本人が従事するケースで、受ける報酬と同等以上の報酬を受けて従事することが条件となります。

また、在留期間には3年、1年、6ヶ月、3ヶ月、15日の5つの期間がありますが、滞在期間は、日本に滞在する日数や所属するチームの規模などを基に入管が審査して決定します。

特に最長期間である3年や1年のビザを取得できるのは、日本で長く活躍しているプロバスケットボール選手が多く、それ以外の選手は6ヶ月や3ヶ月といった短期のビザ更新が一般的です。

国際大会に参加するバスケットボール選手に欠かせないビザ

オリンピック、世界選手権、アジア大会、国別対抗戦、親善試合などに参加するケースでは、基本的に「短期滞在」ビザが適用されます。

一方、プロのクラブチームに所属するケースでは「興行ビザ」が必要です。また、個人競技のプロ選手が賞金のあるトーナメントや国際大会、格闘技の試合に参加する際も同様に「興行ビザ」が必要です。

実業団のバスケットボール選手に欠かせないビザ

前項目ではプロバスケットボール選手についてのビザの解説をしましたが、一方で企業に所属する「実業団」はどのビザが該当するのでしょうか?

同じバスケットボール選手であっても、実業団チームに所属するアマチュア選手なのか、またはプロ選手なのか、といった立場の違いによっても取得する在留資格(ビザ)は違うのです。

バスケットボール選手であっても実業団チームのような企業に所属する広告塔のような選手のケースでは「特定活動(告示6号)」と呼ばれる在留資格が必要になります。

プロバスケットボール選手の指導者に欠かせないビザ

プロバスケットボール選手の指導者には、「技能ビザ」が適用されます。このビザには以下のような決まりがあります。

要件 補足
右記いずれかの実績があること
  • バスケットボールの指導に関して、3年以上の実務経験があること(外国の教育機関でそのバスケットボールの指導を専攻した期間や、報酬を受けてそのバスケットボールに従事していた期間を含みます)
    ※「報酬を受けて」とは、プロバスケットボール団体に所属し、プロバスケットボール選手として報酬を受け取っていたことを指します。
  • バスケットボール選手としてオリンピック大会、世界選手権大会、その他の国際的な競技会に出場した経験があること
    ※「その他の国際的な競技会」とは、アジア大会のような地域または大陸規模の総合競技会や、アジアカップサッカーのような競技別の地域または大陸規模の競技会を指します。二国間や特定国間の親善競技会等は含まれません。
バスケットボールの指導に係る技能を要する業務に従事すること

「技能ビザ」は、アマチュアバスケットボールの指導に限らず、プロバスケットボールの監督やコーチなども対象です。ただし、野球やサッカーなどのチームの一員としてプロバスケットボール選手と共に活動するケースでは、前述のように「興行ビザ」が必要になります。

興行ビザ3号の申請手続きの流れ

ここでは、手続きの大まかな流れをまとめました。

在留資格認定書の発行

外国人バスケットボール選手の在留資格認定証明書を取得するためには、入国管理局に申請する必要があります。

通常、選手が所属する予定のチームや団体が申請を代行します。すでに選手が短期滞在以外のビザで日本に住んでいるケースでは、在留資格変更申請を行います。

在留資格認定証明書を取得するためには、申請書のほか、団体の登記事項証明書、決算書、従業員名簿、雇用契約書などを提出します。これらの書類は団体が所在する地域の地方出入国在留管理局に提出します。

書類の審査は詳細に行われるため、発行までに約1カ月かかることがあります。申請からチームに合流するまでには時間がかかるため、早めに準備を始めることが重要です。

興行ビザの申請

在留資格認定書が発行されたら、選手に原本を送ります。

ただし、選手本人が手続きを行うとは限らないため、ケースによってはエージェントなどの代理人とやりとりを行いましょう。選手側は、本国の日本大使館や総領事館に在留資格認定書と必要書類を提出して興行ビザ3号を申請します。

必要書類には、パスポート、写真、身分証明書、申請書などがあります。書類が揃っており、内容に問題がなければ、数日中にビザが発行されます。その後、ビザをパスポートに貼り付けて来日することで、日本国内でのバスケットボール興行への参加が認められます。

ただし、まれにビザ発行や上陸時に拒否されるケースがあります。この場合、理由を尋ねても答えてもらえないことが基本です。一般的には、在留資格認定書の交付段階では発覚しなかった問題が原因とされています。このようなケースでは、日本への入国はできません。

興行ビザ3号申請の必要書類

スポーツの種類や日本での活動期間によって追加の書類が必要になるケースもありますが、ここでは基本的に全てのケースで準備が欠かせない書類を順番にご紹介します。

種類 内容
本人が用意するもの
  • 本人の経歴書(スポーツの種類や実績によって書き方が異なります)
  • 経歴を証明する書類(スポーツの種類や実績によって異なります)
  • 証明写真
招聘会社(スポーツチームの運営会社等)が用意するもの
  • 在留資格認定証明書交付申請書(記入ミスがあると審査に時間がかかったりビザが交付されなかったりすることがあります)
  • 招聘会社(スポーツチームの運営会社)の登記事項証明書
  • 直近の決算書類(損益計算書、貸借対照表のページ)
  • 従業員名簿(スポーツの種類や活動期間によって内容が異なります)
  • 雇用契約書(日本での具体的活動、契約期間、報酬などが明確に記載されたもの)
  • 滞在日程表
  • 興行日程表
  • 興行内容を知らせる広告やチラシなど
興行を行う施設(スタジアム等)に関するもの
  • 施設運営会社の登記事項証明書
  • 施設運営会社の直近1年分の決算書類
  • 営業許可証(許可が求められる施設に限定)
  • 施設の図面
  • 施設の写真
  • 従業員名簿

各書類の準備や作成方法は、スポーツの種類や活動期間、過去に同条件での招聘実績があるかどうかなどによって異なります。

初めて外国人選手を招聘するケースでは、専門家である行政書士のサポートを受けながら手続きを進めることをおすすめします。

プロバスケットボール選手特有の注意点

プロバスケットボール選手が興行ビザを取得した場合、所属チーム変更後には、契約期間変更届を提出する必要があります。また、3年のビザを取得するには複数年でのチーム契約を要求されるのが基本です。

最近では外国人の不法労働が問題となっており、興行ビザの審査は厳しくなっています。選手をスムーズに日本に呼び寄せるためには、申請時の注意点を意識することが重要です。

例えば、選手との雇用内容に不審な点があると、出入国在留管理庁の審査に引っかかりやすくなります。また、ケースによっては外国人選手がプレーする施設の概要もチェックされます。

施設が興行に適した計画を持ち、バスケットボールで収益を上げられるかが審査されます。これは、不当な目的で外国人を招聘することを防ぐためです。出入国在留管理庁には、バスケットボールの会場となる施設の図面や概要、施設の外観や内観が分かる写真も提出してください。

選手を少しでもスピーディーにチームに合流させて活躍してもらうためには、出入国在留管理庁とのやりとりに不備がないよう注意が必要です。

【参考】興行ビザ3号の更新について

在留期間の更新許可申請は、興行ビザの要件(条件)に該当していること、興行ビザの上陸許可基準に原則として適合していることに加えて、以下の事項が考慮されます。

なお、以下の事項は代表的な考慮要素です。これらのすべてに該当する場合でも、すべての事情を総合的に考慮した結果、更新の申請が不許可となることもあります。

考慮事項 補足
現に有する在留資格に応じた活動を行っていたこと 申請人である外国人が、現に有する興行ビザに応じた活動を行っていることが必要です。
素行が不良でないこと 具体的には、退去強制事由に準ずるような刑事処分を受けた行為、不法就労をあっせんするなど出入国在留管理行政上看過することのできない行為を行った場合は、素行が不良であると判断されることとなります。
独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること 日常生活において公共の負担となっておらず、かつ、その有する資産または技能等から見て将来において安定した生活が見込まれることが求められます。
雇用・労働条件が適正であること 契約条件が、労働関係法規に適合していることが必要です。
納税義務を履行していること 例えば、納税義務の不履行により刑を受けている場合は、納税義務を履行していないと判断されます。
入管法に定める届出等の義務を履行していること 例えば、在留カードの記載事項に係る届出、在留カードの有効期間更新申請、紛失等による在留カードの再交付申請、在留カードの返納、所属機関等に関する届出などの義務を履行していることが必要です。

興行ビザ3号の申請にあたってよくある質問

最後に、興行ビザ3号の申請にあたってよくある質問と回答をまとめました。

質問 回答
選手に帯同するトレーナーや通訳者、マネージャーの在留資格取得で欠かせない書類は? 基本的には選手と同じ書類です。重複する書類については、1部ずつで構いません。
実績のある選手でないと興行ビザ3号の取得は難しい? 技能ビザ(バスケットボールの指導者、コーチ)とは異なり、実績についての要件は定められていません。母国で選手として活躍しているからこそ日本に招聘するわけですので、実績が問題になることは少ないです。
興行を行う施設に関する書類について、運営会社から書類をもらえない場合はどうすればいい? 状況によりますが、合理的な説明が書面でできれば問題ありません。ただし、「もらえませんでした」という理由だけでは認められません。
従業員名簿に載せる項目は? 必須項目としては、氏名、所属、主な職務内容です。スポーツの種類によっては、追加記載項目があることがあります。特に初めて外国人選手を招聘するケースでは、細かい情報を求められることがあります。
選手への給料(報酬)が低い場合、審査で不利になる? あまりにも低いケースでは不利に働く可能性があります。興行ビザはプロの興行を行う者に対して付与されるビザです。活動期間にもよりますが、バスケットボールのプロ選手の標準的な給与と比較して低すぎるケースでは、不許可のリスクがあります。目安としては、月給換算で最低30万円以上あれば、給料面で不利になることはほぼありません。
選手の家族を日本に連れてくることはできる?

プロ・アマを問わず、扶養している配偶者とその子供については日本に連れてくることが可能です。

  • 外国人本人が興行ビザの場合:家族滞在ビザ
  • 外国人本人が特定活動ビザの場合:特定活動ビザ

終わりに

プロバスケットボール選手が日本で活躍するためには、適切なビザの取得が欠かせません。ビザの種類や申請手続きには多くの要件や書類が必要であり、選手の活動内容や契約条件に応じて最適なビザを選ぶことが重要です。

適切なビザを取得することで、選手としての活動を円滑に進めることができ、成功への第一歩を踏み出すことができます。ビザ申請の手続きをスムーズに進めるために、しっかりと準備を行い、必要なサポートを受けるよう心掛けましょう。

興行ビザをはじめ、バスケットボール選手が日本で活躍するための在留資格の取得を考えている場合で、「自社のケースでは、どの在留資格を選び、どのような手続き、書類が求められるのか分からない」といったお悩みを抱えている場合には、お気軽に「しらき行政書士事務所」までお問い合わせください。

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