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ベトナム技能実習生が多い背景、給料や生活事情なども踏まえて

近年、日本における技能実習生の中でもベトナム人の割合が非常に高く、全国の実習先企業でも広く受け入れられています。

ベトナムは親日的な国であり、日本語教育や技能実習制度に対する理解も進んでいます。また、母国の経済状況や若年層の人口構成、日本との歴史的な関係などが相まって、技能実習先として日本を選ぶ若者が年々増加しています。

加えて、技能実習を通じて安定した収入を得られることや、日本の技術を学んで将来ベトナムでの就職・起業につなげたいと考える若者も多いため、日本企業にとってはモチベーションの高い人材を確保できるメリットがあります。

この記事では、「なぜベトナム人技能実習生が多いのか」という背景に加え、給料や生活実態、企業側が押さえるべきポイントについても丁寧に解説していきます。

ベトナム技能実習生が多い現状と背景

まずは、ベトナム技能実習生が多い現状と背景についてお伝えします。

技能実習制度におけるベトナム人材受け入れ割合の現状

2024年6月末時点における在留資格「技能実習」により日本に在留するベトナム人の数は、203,977人です。これは全体の半数近くにあたる割合であり、日本で働く外国人技能実習生の中でも、ベトナム人が最も多い国籍となっています。

出典:出入国在留管理庁「令和6年6月末現在における在留外国人数について」

なぜベトナム技能実習生が多いのか?

ベトナム技能実習生が多い背景には、経済的理由、親日的な文化、日本語教育の普及、そして制度上の受け入れ体制の整備といった、いくつかの要因が複合的に関係しています。

ベトナムでは日本に比べて平均月収が低いため、日本で働くことによって家族の生活を支えられるという大きな魅力があります。こうした背景から、多くの若者が技能実習制度を活用して来日しています。

日本の技能実習制度は、発展途上国の人材育成を目的として1993年に創設されました。日本企業が一定期間、外国人実習生を受け入れ、技術や知識を習得してもらう仕組みであり、企業側と実習生の双方にメリットがある制度です。

ただし、実際には人手不足を補う労働力として活用されているケースも多く、低賃金や過酷な労働環境が問題視されることもあります。それでも、日本での就労経験を活かし、帰国後にキャリアアップを目指すベトナム人実習生は少なくありません。経済的な安定と将来の可能性を見据え、来日を希望する人が多いのが現状です。

また、日本とベトナム両政府の協定により、送り出し機関を通じた実習生の受け入れがスムーズに行われていることも要因の一つです。日本企業の間でも、ベトナム人の勤勉さや真面目な働きぶりは高く評価されており、積極的な受け入れにつながっています。

ベトナムは親日国として有名

ベトナムは、東南アジア諸国の中でも特に日本に対して親しみを持っている国の一つです。

その背景には、長年にわたる日本とベトナムの経済的なつながりがあります。日本はベトナムにとって重要な貿易相手国であり、インフラ整備やODA(政府開発援助)を通じてベトナムの経済発展を後押ししてきました。こうした支援を通じて、日本に対する信頼感や好印象がベトナム国内に根づいています。

また、日本の文化もベトナムの若者たちに強い影響を与えています。アニメや漫画、J-POP、テレビドラマなどの日本のコンテンツは非常に人気があり、多くの人が日本に憧れを抱いています。日本語学習への関心も年々高まっており、実際に日本語を学ぶベトナム人も増加傾向にあります。これは技能実習制度を通じた来日希望者の増加にもつながっています。

歴史的にも、ベトナムは日本に対して良好な関係を築いてきました。特に、日本が植民地支配を行ってこなかった点は、他の国々と比較して日本への好印象につながる要因といえるでしょう。

さらに、日本製品の品質やサービスの丁寧さも高く評価されており、こうした面でも日本に対する親しみや信頼が育まれています。これらの複数の要素が組み合わさることで、ベトナムは“親日国”としての地位を確立しているのです。

ベトナム技能実習生の給料事情

続いて、日本におけるベトナム技能実習生の給料事情についてお伝えします。

技能実習生の給料相場と内訳

ベトナム人技能実習生の給料は、日本の最低賃金に基づいて支払われるのが原則であり、月給は地域差があるもののおおむね15万〜20万円前後です。

技能実習制度では、日本人と同等の労働条件で外国人を雇用することが求められています。そのため、最低賃金以上の給与が保証されており、違反があれば監督機関から指導が入ることもあります。一方で、技能実習生は住居費や保険料、税金などが差し引かれるため、実際の手取りは支給額よりも少なくなるのが現実です。

ベトナム本国での給料水準と比較した魅力

ベトナムの平均月収は都市部で約3〜5万円とされており、日本での技能実習による収入は約3〜5倍になります。このため、ベトナム人技能実習生にとっては、仕送りや貯金を目的とした強い動機があります。

ベトナム技能実習生の生活実態

技能実習生の多くは、「家族への仕送り」や「帰国後の生活資金づくり」を目的として来日しています。そのため、生活費を最小限に抑え、収入の多くを貯金・送金に充てる傾向があります。一方、日本での生活習慣や文化に不慣れなこともあり、孤独感や生活の不安を感じるケースも少なくありません。

日本での住環境・生活習慣と異文化のギャップ

ベトナム技能実習生にとって、日本での生活は「収入面での魅力」がある一方で、住環境や生活習慣の違いからくる“異文化ギャップ”に戸惑う場面が多いのも現実です。

ベトナムと日本では、住まいや食事、宗教観、時間感覚、生活リズムなど、多くの点で文化的な違いがあります。実習生の多くは日本での生活が初めてであり、言語だけでなく、日常のあらゆる場面で戸惑いを感じています。こうしたギャップを放置すると、ストレスや孤立感につながり、仕事のモチベーションや定着率にも影響を与えかねません。

以下に、日本とベトナムの生活習慣・文化の主な違いをまとめました。

分野

日本の特徴

ベトナムの特徴

住環境

狭くても清潔・静寂を重視

家族・友人との共同生活、にぎやかさを好む

食文化

味付けは薄味・和食中心/食事時間が固定

香辛料・油を多用/食事は家族単位・柔軟な時間

ゴミ出し・分別

地域ルールに従い、曜日や分別が厳格

ごみの分別文化が一般的でない

宗教・信仰

無宗教が多く、宗教行事への理解が薄い

仏教や祖先崇拝などが日常的

コミュニケーション

礼儀・遠慮・報連相重視

フランクで感情表現が豊か/上下関係を重視する傾向

住環境や文化的違いへの不安は、仕事のストレス以上に影響を及ぼすことがあります。ベトナム技能実習生が日本で安定して働くためには、「職場の環境」だけでなく、「生活の環境」への配慮が欠かせません。

ベトナム技能実習生の受入で企業が押さえるべきポイント

技能実習制度は、日本の技術を発展途上国に移転することを目的とした制度であるため、企業は単なる労働力確保ではなく、「教育」「支援」の姿勢が求められます。

中でもベトナム人実習生は日本への就労意欲が高く、まじめに取り組む傾向がありますが、文化や生活の違いに対するサポートが不十分だと早期離職につながるリスクがあります。

以下に、採用前・採用後に押さえておきたい主なポイントを一覧にしてまとめました。

フェーズ

ポイント

詳細

採用前

制度の理解

技能実習制度の目的・ルールを理解し、法令順守・適切な計画を立てることが前提

採用前

送り出し機関の選定

信頼できるベトナム側の送り出し機関を選ぶ(費用透明性、教育体制の確認)

採用後(初期)

生活支援とオリエンテーションの実施

日本語サポート、生活ルールの共有、ゴミ出し・交通・買い物など実用面の説明

採用後(継続)

日本人スタッフの理解と育成

異文化理解を促進する社内研修やメンター制度の導入

採用後(継続)

定期的な面談と相談窓口の設置

不満・不安を早期に把握し、退職やトラブルを防止

特に「生活面・文化面・職場の理解」の3点をバランスよく整えることで、実習生が安心して働ける環境が生まれ、長期的な雇用安定や企業イメージの向上にもつながります。受け入れは「雇用」ではなく「育成」であるという意識が成功のカギです。

ベトナム技能実習生の受入に関する展望

ベトナム技能実習生の受け入れは、単なる「労働力確保」から「共に働き、育つ人材戦略」へと進化しようとしています。これからの企業には、雇用の透明性や適切な支援体制、キャリアパスの提供といった、より高い受け入れ品質が求められます。

制度移行に備え、今から社内の体制整備や外国人材への理解を深める取り組みを進めておくことが、持続的な雇用の鍵となるでしょう。

技能実習生の将来とキャリアの選択肢

技能実習を終えたベトナム人実習生が選ぶ進路は、大きく分けて次の3つがあります。それぞれに異なるメリットや可能性があり、今後のキャリア形成において重要な選択肢となります。

ベトナムへ帰国し、地元企業で活躍する道

最も一般的な進路は、実習を終えてベトナムに帰国し、日本で培った技術や経験を活かして働くケースです。特に製造業や建設業などの分野では、日本での実務経験が高く評価され、現地企業で即戦力として重宝されます。なかには、日系企業に就職して安定した職に就く人や、昇進・独立を目指してキャリアアップを図る人もいます。

日本で引き続き働く選択肢(特定技能ビザ)

技能実習の終了後も、一定の条件を満たせば「特定技能」ビザに切り替えて日本で働き続けることが可能です。この制度を活用することで、実習期間よりも自由度の高い働き方ができるようになり、待遇改善や職場の選択肢も広がります。ただし、このビザの取得には、業種別の技能試験や一定レベルの日本語能力が求められるため、事前の準備が必要です。

日本とベトナムをつなぐ橋渡し役としての活躍

もう一つ注目される進路が、両国の懸け橋として活躍する道です。たとえば、日本での生活やビジネス経験を活かして、帰国後に日本語教師や通訳、日系企業の現地スタッフとして働く人も増えています。日本との取引や連携を深める企業が増えている今、このような人材の需要は今後ますます高まっていくと考えられます。

技能実習制度の見直しと今後の影響

1993年より続いている技能実習制度ですが、2024年6月14日に制度廃止および「育成就労制度」への移行に関する法令改正が国会で可決・成立しました。

育成就労制度は、技能実習制度と同じく外国人雇用のための制度です。技能実習制度に対する制度目的と実態とのかい離や外国人の権利保護などの課題が指摘されていたことから、外国人にとって魅力ある制度を構築することを目的とし、制度の中身が改正されることに伴い、制度の名称が変更されました。

なお、技能実習制度はおおむね2027年(改正法の公布日である令和6年6月21日から起算して3年以内)までは継続する予定ですが、その後は新たに設けられた「育成就労制度」へと完全移行します。

育成就労制度との違い

技能実習制度と新たに導入される育成就労制度の主な違いを整理しました。

項目

技能実習制度

育成就労制度

制度の目的

日本での技能習得を通じて人材育成を行い、母国の発展に貢献すること

日本国内の人手不足分野での人材育成と人材確保を目的とする

在留期間

原則1~2年(特定技能への移行で最大5年)

原則3年(特定技能取得で最大5年)

転籍(職場変更)

原則として不可

一定条件下で可能

在留資格

技能実習1号(1年)、2号(2年)、3号(2年)

育成就労(3年)

育成就労制度の導入により、外国人労働者にとって働きやすい環境が整いつつあります。従来の技能実習制度では、原則として職場の変更(転籍)が認められていませんでしたが、新制度では一定の条件を満たせば転籍が可能になりました。

さらに、在留資格も従来の「技能実習1〜3号」から「育成就労」に一本化され、制度がシンプルになった点も特徴です。これにより、待遇や労働環境に問題がある職場からの移動がしやすくなり、外国人労働者にとっても安心して働ける仕組みとなっています。結果として、日本での長期的な就労やキャリア形成がより現実的になったといえるでしょう。

終わりに

ベトナム技能実習生は、日本語や技能習得に意欲的で、勤勉な人材が多い一方、日本での生活や労働環境に戸惑うことも少なくありません。

受け入れる企業が給料や生活事情、文化的背景を理解した上で、適切なサポートを提供することで、定着率や職場の満足度が大きく向上します。また、今後の制度改革(例:育成就労制度)を見据えた対応も求められています。

しらき行政書士事務所では、外国人労働者に必要な在留資格(就労ビザ)の申請手続きに関して、初回相談無料で対応しております。

対面での面談がご心配な方や、遠方で直接お会いすることが難しい方、受付時間内にお時間が取れない方にも、お気軽にご相談頂けるように各種オンラインツール(ZOOM、LINE、WeChat、Skypeなど)を利用しての面談にも対応しております。

これまでの経験と実績を生かし、在留資格の申請手続きの成功をサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

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