外国人の雇用やビザの申請でお困りでしょうか
手続きに詳しい行政書士がサポートいたします

配偶者ビザの更新について、審査ポイントや必要書類、不許可にならないためのポイントを紹介

日本に滞在している「日本人の配偶者等(配偶者ビザ)」の在留資格を持つ外国人が、在留期限を超えて引き続き日本に滞在するには、在留期間の更新許可申請が必要です。もし期限内に手続きを行わないと不法残留となり、強制退去の対象となる可能性があるため、十分な注意が求められます。通常は現在の在留期間と同じ期間で更新を申請しますが、希望すればより長い期間を申請することも可能です。

この記事では、配偶者ビザの更新手続きにおける審査のポイントや必要書類、申請が不許可にならないための注意点などを詳しく解説します。

配偶者ビザの更新申請とは

配偶者ビザ(日本人の配偶者や永住者の配偶者としての在留資格)は、在留期限が来る前に必ず期間更新手続きを行う必要があります。

更新申請の際には、前回の申請内容と生活状況に変化がない「単純更新」のケースと、前回から生活環境や状況が大きく変わった場合の「変更説明が必要なケース」とで、必要な書類や審査の難易度が大きく異なります。これらの違いを把握して、状況に応じた適切な準備を行うことが大切です。

単純更新

単純更新は、前回の配偶者ビザ申請時と比較して、生活環境や状況に大きな変化がない場合に適用される更新手続きです。例えば、離婚や再婚がなく、収入や職業状況に大幅な変動がない場合が該当します。

このようなケースでは、複雑な事情説明や理由書を提出する必要がないため、更新手続きは比較的スムーズに進むことが一般的です。配偶者ビザの在留期間は通常「1年、次の1年、その後に3年」という流れで設定されることが多く、結婚から3年が経過する頃には3年間の在留期間が認められることが一般的です。

特に3年の在留期間を得られることは、今後「永住権」を申請する際の大切な条件の一つとなります。そのため、3年のビザを取得するためには、これまでの在留中の活動や生活実績をしっかりと積み重ねておくことが重要となります。

事情説明等が必要な更新

前回の配偶者ビザ申請以降、生活環境や状況(離婚・再婚・退職・失業など)に大きな変化が生じた場合は、通常の書類提出に加え、変更の理由や背景について詳しい説明が必要となります。

例えば、以前の申請時にビザを取得した日本人配偶者と離婚し、新たに別の日本人と再婚したケースや、夫婦が何らかの理由で同居できず別居しているケースなどが考えられます。また、失業や収入減少などで世帯の経済状況に大きな変動があった場合も同様です。

こうした状況の変化がある場合、通常の単純更新とは異なり、審査はより厳しくなる傾向があります。通常の申請書類だけでは十分に状況を説明しきれないことが多いため、婚姻の安定性や継続性を示すための理由書や説明書を追加で提出し、審査をクリアすることが求められます。

配偶者ビザ更新申請の期間について

本章では、配偶者ビザ更新申請の期間に関して知っておきたい情報をまとめて紹介します。

配偶者ビザの更新申請を行えるタイミング

配偶者ビザの更新手続きは、在留期限の3か月前から、居住地を管轄する出入国在留管理局(入管)で行うことが可能です。手続きが期限ギリギリになって焦ることのないよう、余裕をもって早めに準備を進めることをおすすめします。

また、入院や長期出張といった特別な事情がある場合には、3か月前よりも前に申請を受け付けてもらえるケースもありますので、該当する方は事前に入管へ相談してみましょう。

配偶者ビザの更新申請に対する審査期間

配偶者ビザの更新審査には、通常2週間から1か月ほどの期間がかかります。ただし、この期間はあくまでも「標準処理期間」であり、あくまで目安です。早い人では7日程度で結果が通知されることもあれば、場合によっては2か月以上かかることもあります。

では、なぜこれほど審査期間に差が生じるのでしょうか?理由は簡単で、申請内容に少しでも疑問点や不審な箇所があると、入国管理局が詳細に調査を行うからです。

審査期間中には「収入が安定しているか」「素行が善良であるか」「書類に不備や矛盾がないか」といった点を総合的にチェックしています。もし、疑わしい点があると入念に調査が行われるため、結果が出るまでに時間がかかることになります。

では、審査が長引くと不許可になる可能性が高いのかというと、必ずしもそうとは限りません。審査が長くなるのは、あくまで「疑わしい点があるかどうか」を確認しているだけで、きちんと内容が確認されれば問題なく許可されることもあります。

一方で、審査期間が極端に短く、早々に結果が通知された場合でも、一発で不許可になるケースもあり得ます。つまり、審査期間の長短だけで結果を推測することは難しいので、重要なのは正直かつ正確な書類をしっかりと提出することです。

配偶者ビザの更新申請で付与される在留期間

在留期間更新申請の審査で付与される配偶者ビザの在留期間は「6か月」「1年」「3年」「5年」のいずれかに設定されます。

「6か月」の在留期間は、離婚調停中または離婚訴訟中の方が対象となることが多く、初回の配偶者ビザ更新時には「1年」が付与されるケースが一般的です。ただし、提出した書類内容により、初回から「3年」や「5年」の在留期間を得られる場合もあります。

初回申請で「3年」や「5年」の在留期間が付与されるのは、婚姻後にすでに3年以上同居している、あるいはお子様が小学校や中学校に通っており、家族としての生活が安定しているなど、婚姻生活が安定していることが証明されている方が対象となります。

また、前回の申請時と比べて生活状況や家庭環境に大きな変化がある場合は、更新申請に必要な書類や審査の難易度が異なり、注意が必要です。更新申請を行う際は、申請書類を丁寧に準備し、変更点がある場合はしっかりと説明することが重要です。

配偶者ビザ更新申請の審査基準

配偶者ビザの更新申請における在留期間の決定の入管の運用は以下のとおりとなっています。

在留期間 審査基準
5年 以下の全てに該当することが求められます。
  • 申請者が、入管法に基づく各種届出義務(住居地やその変更、所属機関の変更など)をしっかり履行していること。
  • 税金や保険料などの公的義務を適切に果たしていること。
  • 学齢期の子ども(義務教育に相当する年齢)を持つ場合、その子どもが小学校または中学校に通学していること(インターナショナルスクールも対象)。
  • 家計を支える主な生計維持者が納税義務を果たしていること。
  • 家族構成や婚姻期間などを含め、婚姻や配偶者としての生活が安定し、今後も継続することが見込まれること(婚姻については、結婚後の同居期間が3年以上であることが条件)。
3年 以下のいずれかの条件に該当することが求められます。  
  • これまで5年の在留期間を許可されていた者で、更新時に以下の全ての条件を満たす者
    a. 5年の在留期間に関する条件①〜④のいずれにも該当しないこと
    b. 家族構成や婚姻期間など、婚姻や配偶者としての生活が継続されることが見込まれると判断できること
  • 5年、1年、または6ヶ月のいずれの条件にも当てはまらないもの
1年 以下のいずれかの条件に該当することが求められます。  
  • これまで3年の在留期間が認められていたが、更新時に5年の在留期間の条件①〜④のいずれにも該当しない者
  • 家族構成や婚姻期間などの状況から、婚姻および配偶者としての生活の安定性を毎年確認する必要があると判断される者
  • 在留状況を毎年確認することが求められると判断される者
  • 日本における滞在予定期間が6ヶ月を超え、1年以内の者
6ヶ月 以下のいずれかに該当することが求められます。  
  • 離婚調停または離婚訴訟が進行中の者(ただし、夫婦ともに婚姻を継続する意思がなく、配偶者としての活動が今後見込まれない場合は除く)
  • 夫婦の一方が明確に離婚を望んでいる場合
  • 滞在予定期間が6ヶ月以内の者

配偶者ビザ更新申請の必要書類

同じ身分関係に基づいて引き続き滞在する場合の配偶者ビザ更新申請に必要な書類は、以下のとおりです。

  • 在留期間更新許可申請書:1通
  • 写真:1葉(指定の規格を満たした写真を用意し、申請書に添付して提出)
  • 配偶者(日本人)の方の戸籍謄本(全部事項証明書):1通
  • 日本での滞在費用を証明する資料
     (1)申請人の滞在費用を支弁する方の直近1年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 各1通
     (2)その他※ 入国後間もない場合や転居等により、(1)の資料で滞在費用を証明できない場合は、以下の資料などを提出して下さい。
    ・預貯金通帳の写し 適宜
    ・雇用予定証明書又は採用内定通知書(日本の会社発行のもの) 適宜
    ・上記に準ずるもの 適宜
  • 配偶者(日本人)の身元保証書:1通
  • 配偶者(日本人)の世帯全員の記載のある住民票の写し:1通
  • パスポート:提示
  • 在留カード:提示

参考:出入国在留管理庁「在留資格「日本人の配偶者等」(外国人(申請人)の方が日本人の配偶者(夫又は妻)である場合)」

在留期間3年の配偶者ビザを取得するポイント

配偶者ビザの更新申請で3年以上の在留期間が許可されれば、永住権や帰化申請の条件を満たすことができ、申請に挑戦する道が開けます。そのため、多くの申請者は3年以上の在留期間を希望する傾向があります。

そこで本章では、在留期間3年の配偶者ビザを取得するためのポイントをいくつかご紹介します。

収入を安定させる

日本人配偶者の収入が低い場合、夫婦が日本で安定的に生活できることを示す必要があります。なぜなら、収入が不足している状態で生活保護などの公的支援を受けるような事態になると、日本の国益を損なうと判断されるためです。

配偶者ビザの更新申請時には、現在の収入でも問題なく安定した生活を送れることを証明することが求められます。

たとえば、夫婦が実家で同居し、家賃が発生していない場合には、支出が少ないことを理由に、収入が平均を下回っていても生活に問題がないことを証明できます。

重要なのは、現状の収入でも家族が経済的に安定して日本で暮らしていけることを、具体的な証拠をもって立証することです。

結婚生活の継続性を証明する

平成14年の最高裁判所の判決では、以下のような要件が示されています。

  • ただ形式的な婚姻関係があるだけでは不十分
  • 夫婦として永続的な精神的および肉体的な結びつきを持つことを目的とし
  • 誠実な意思のもとで共同生活を送っていること

このことから、単に婚姻届を提出しているだけではなく、実際に同居し、互いに協力・扶助している実態が求められると解釈されています。

入管法の届出義務と公的な支払い義務を遵守する

これは在留カードに関する届出義務や、配偶者に関する届出を遅延なく行うことを指しています。具体的には、住所変更などがあった場合に、区役所や入国管理局に正しく届け出ることが求められます。

居住地の変更については、変更日から14日以内に届け出を行わなければなりません。もし届出が遅れたり、入管からの指摘を受けて後から届け出たりした場合には、義務を果たしていないとみなされるおそれがあるため注意が必要です。

さらに、社会保険や健康保険などの各種公的義務をきちんと果たしていることも重要です。納付が遅れるとマイナス評価となるため、支払い期限を守るようにしましょう。

こうした公的義務の履行状況は、配偶者ビザの更新だけでなく、永住権や帰化申請の際にも審査に影響を与えるため、日頃から遅滞なく対応することが求められます。

子どもが居る場合にはしっかり学校に通わせる(小中学校)

お子さんが日本の小中学校に通っていることは、日本での生活基盤がしっかりと築かれている証拠となり、配偶者ビザの更新申請時にプラスの評価につながります。なお、インターナショナルスクールへの通学も同様に考慮され、生活の定着性を示す要素として扱われます。

配偶者ビザの更新についてよくある質問

最後に、配偶者ビザの更新について当事務所に多く寄せられている質問と回答をまとめました。

配偶者ビザの更新申請は不許可になることがある?

配偶者ビザの更新申請が許可されない場合もあります。更新の際には、いくつかの条件や基準を満たす必要があり、これらの要件に適合しない場合には不許可となる可能性が高くなります。

配偶者ビザの更新申請が不許可となった場合、結婚はどうなりますか?

憲法で認められている通り、誰もが自由に結婚する権利を有しています。しかし、その結婚相手が日本に入国・在留するためのビザが発行されるかどうかは、また別の問題です。

そのため、もし配偶者ビザの更新が不許可になったとしても、婚姻自体は無効にはなりません。外国人配偶者が海外にいる場合は、結果として「日本と海外での遠距離婚姻生活」という状況が発生することになります。

このような場合、①日本人が配偶者のいる海外で生活を始める、②再度ビザ申請を行う、③離婚を選択する、などの選択肢が考えられますが、どの道を選ぶかは夫婦間の自由な意思に委ねられています。

配偶者ビザ更新申請の理由書はどう書けばいい?

配偶者ビザの在留期間更新を行う際に「理由書」は必須ではありません。その代わりに、出入国在留管理局に「在留期間更新許可申請書」を提出する必要があります。

ただし、前回の申請時から婚姻や生活状況に変化が生じている場合は、更新理由書を作成することを強くおすすめします。状況の変化を説明しないと、更新手続きが円滑に進まないことがあるためです。

また、現在の在留期間が1年で、より長い3年の在留期間を希望する場合も、適切な更新理由書を提出することで、承認される可能性が高くなります。

更新理由書を作成する際に重要なのは、他の提出書類と内容が一致していることです。他の書類と記載内容に齟齬があると、入国管理局に「虚偽の申告をしている」と判断される可能性があるため、記載内容をしっかり確認し、整合性を保つことが大切です。

終わりに

今回の記事では、配偶者ビザの更新申請について解説しました。もしも別居期間が長い、収入が低いなど審査で不利になる要素がある場合に、証拠の準備が不十分なまま申請してしまうと、不許可になるリスクが高まります。

しかし、審査に不利な点があったとしても、合理的な理由がある場合には、諦めずにしっかりと根拠を示すことで許可が得られる可能性も十分にあります。

配偶者ビザの更新申請は、単に書類を揃えるだけで終わるような簡単なものではありません。審査のポイントをきちんと理解し、正確かつ一貫性のある書類を準備することが重要です。更新申請の手続きをしっかり行うことは、将来的に永住権や帰化申請を考える上でも大切なステップとなります。

これまでお伝えしてきたポイントを踏まえ、審査に通過するために必要な準備をしっかりと整え、矛盾や説明不足のない書類を提出するよう心掛けましょう。

しらき行政書士事務所では、配偶者ビザをはじめとする在留資格の申請手続きに関して、初回相談無料で対応しております。

対面での面談がご心配な方や、遠方で直接お会いすることが難しい方、受付時間内にお時間が取れない方にも、お気軽にご相談頂けるように各種オンラインツール(ZOOM、LINE、WeChat、Skypeなど)を利用しての面談にも対応しております。

これまでの経験と実績を生かし、配偶者ビザの更新申請手続きの成功をサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

外国人雇用やビザの申請(在留資格)に関するご相談
  • 初回相談は無料です、お気軽にお問い合わせください。
  • ご相談はご来所のほか、Zoom等のオンラインでの相談も承っております。
お電話でのお問い合わせ

「ビザ申請のホームページを見た」とお伝えください。

受付時間:平日8:00-19:00(土日祝休み)
メールでのお問い合わせ

    ご希望の連絡先(必須)

    メールに返信電話に連絡どちらでも可

    お住まいの県(必須)

    ページトップへ戻る