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就労ビザから高度専門職ビザへの変更

相談者:

私は現在、就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)を保有しています。この度、高度専門職ビザに変更したいと思っていますが、変更する際の注意点などを教えてください。

回答:行政書士

はじめに結論から述べておくと、就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)の外国人の方が、高度専門職のビザに変更するためには、高度専門職ポイント計算表において、70ポイント以上が必要とされます。しかし、ポイントが70ポイント以上あったとしても、年収300万円以下のケースであったり、仕事内容が高度人材としての活動でなかったりする場合は、高度専門職ビザへの変更は行えないため注意しましょう。

この記事では、高度専門職ビザの概要や変更するメリット、取得の要件や手続きに必要な書類を分かりやすく解説します。高度専門職ビザへの変更申請を行える人や受付窓口となる入管局などについても紹介していますので、ぜひご参考ください。

高度専門職ビザとは

高度専門職ビザ (英語:Highly Skilled Professional) とは、正式名称を在留資格「高度専門職」といい、2015年の入管法の改正によって新たに創設された在留資格のことです。

在留資格「高度専門職」では、高度人材外国人の活動内容について、以下の3つに分類されています(1号)。

  • イ「高度学術研究活動」
  • ロ「高度専門・技術活動」
  • ハ「高度経営・管理活動」

当該外国人の学歴・職歴・年収など示されている項目別にポイントを計算し、その合計が70点以上となった場合にはじめて、在留資格「高度専門職」が付与されるという仕組みです。高度専門職は1号と2号に分かれていますが、最初に取得できるのは1号のみです。

高度専門職ビザに変更するメリット

就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)から高度専門職ビザに変更すると、入国管理分野において以下のような優遇措置が受けられます。

優遇措置 概要
複数にまたがる在留資格 通常、在留資格「技術・人文知識・国際業務」では1つの特定の活動しか許可されません。しかし、高度外国人材の資格を持つ人は、さまざまな活動を同時に行うことができます。例えば「高度専門職1号(イ)」に該当する人は、大学での研究以外に、関連する事業経営も認められます。
一律5年の在留期間 在留資格「技術・人文知識・国際業務」では、期間は申請によって5年、3年、1年などと変わります。しかし、高度外国人材は常に最長の5年の在留が認められます。
永住許可要件の緩和 高度外国人材は永住許可を取得しやすくなっています。通常、10年間の在留が必要ですが、この資格を持つ人は、3年や特別な場合は1年の在留だけで永住許可を受けることができます。
配偶者の就労 「配偶者」の在留資格を持つ外国人は、「教育」「技術・人文知識・国際業務」などの分野で就労しようとするケースで、一定の学歴や職歴が求められます。しかし、高度外国人材の配偶者の場合、こうした要件を満たさなくても教育や技術・人文知識・国際業務分野の仕事に就けます。
親の帯同 高度外国人材として年収が800万円以上の場合で、7歳以下の子供の養育や妊娠中の家族のケアが必要ならば、親を日本に招くことが可能です。
家事使用人の帯同 高度外国人材の家庭で、年収が1000万円以上などの条件を満たす場合、外国人の家事使用人を日本に招くことが認められます。
入国・在留手続の優先処理 入国の手続き申請は提出から10日以内、滞在の更新申請は提出から5日以内に、優先的に処理される予定です。

また、高度専門職2号のビザを取得すると、以下のような優遇措置が受けられます。

  • 「高度専門職1号」で許可される仕事に加えて、各種就労ビザで認められる活動のほぼすべてを行えるようになる
  • 「高度専門職2号」の滞在期間は、永住者と同じように期限が設定されない

高度専門職ビザへの変更要件

就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)から高度専門職ビザに変更するためには、主に以下3つの要件を満たす必要があります。高度専門職ポイントが70以上あれば確実に高度専門職ビザに変更できると誤解されている方も多いので、正確に要件をチェックしておきましょう。

要件 補足
高度専門職ポイント計算の結果が70点以上であること 高度専門職ポイント計算表で70ポイント以上であることが必要です。ポイント計算をする際は、ご自身がイ・ロ・ハのどれに該当するのか、必ずチェックしてください。
仕事内容が高度人材としての活動であること

下記のいずれかの仕事をすることが必要です。これ以外の仕事をしている場合、高度専門職ビザは取得できません。

  • イ(高度学術研究分野):大学の先生、研究者など
  • ロ(高度専門・技術分野):ホワイトカラー職(貿易、営業、マーケティングなど)
  • ハ(高度経営・管理分野) 企業の経営者
年収300万円以上であること

海外から呼び寄せる場合は、「年収見込証明書」で問題ありません。しかし、もともと日本にいる方が高度専門職ビザに変更する場合、直近数年間の年収を審査されることが多いです。

なお、転職などで年収が上がる可能性がある場合、個別判断がされます。

国際業務における注意点

貿易事務・デザイン業務・翻訳通訳業務といった「国際業務」から、高度専門職ビザに変更したいと考えている外国人の方もいることでしょう。しかし、国際業務を主業務としている場合、高度専門職を取得できないケースがあります。

「国際業務」の要件を満たして高度専門職を取得しようとする場合(例:デザインや通訳・翻訳、語学教師など、外国の文化に基盤を有する思考もしくは感受性を必要とする業務の場合)、高度専門職の取得が難しいです。

「感受性を必要とする業務」とは、高度専門職の要件となるポイントとして数値化することが難しいという理由により、国際業務から高度専門職への変更ができないことが多いのです。

上記の理由から、高度専門職取得を希望される方で、学歴や職歴が「技術」や「人文知識」の要件を満たす場合には、「国際業務」ではなく「技術・人文知識」を主業務とした内定を企業からもらったうえで申請することが望ましいです。

高度専門職ビザへの変更申請を行える人

就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)から高度専門職ビザへの変更申請を行えるのは、以下の人です。

  • ご本人:住居地を管轄する出入国在留管理官署へ申請することが可能です
  • 雇用会社の担当者・雇用主:申請取次ができる担当者・雇用主様がいる場合のみ申請することが可能です
  • 申請取次行政書士:入管局へ届出済の行政書士はご本人に代わって申請することが可能です

高度専門職ビザへの変更申請を受け付ける入管局

高度専門職ビザへの変更申請を受け付けている入管局(出入国在留管理局)は以下のとおりです。

  • ご本人が申請する場合:ご本人の居住地を管轄する入管局
  • 申請取次行政書士が申請する場合:ご本人の居住地を管轄する入管局、就労予定地を管轄する入管局、採用責任者が所在する地を管轄する入管局

高度専門職ビザに変更する際の必要書類

就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)から高度専門職ビザに変更する際の主な必要書類は、以下のとおりです。

  • 在留資格変更許可申請書 1通
  • 写真(タテ4cm×ヨコ3cm) 1葉
  • 在留カード(提示)
  • パスポート(提示)
  • 日本で行おうとする次の活動に応じた変更申請に必要な書類 適宜
  • ポイント計算表(活動の区分(イ、ロ、ハ)に応じたいずれかのポイント計算表)
  • ポイント計算表の各項目に関する疎明資料

ポイント計算表の各項目に関する疎明資料については、ポイントの合計が70点以上あることを確認できる資料を提出すれば足ります。該当する項目すべての疎明資料を提出する必要はありません。

なお、発行される証明書はすべて、発行日から3か月以内のものを用意してください。また、代理人・申請取次者_法定代理人が申請する場合、身分証の提示が必要です。資料が外国語の場合、訳文(日本語)が必要となることもある点に注意しましょう。

出入国在留管理庁の公式Webサイトでは、上記のようなビザ申請に必要な書類の一覧表が公開されています。しかし、これらの公表書類は、あくまでも申請を受け付けるための必要最低限の書類であり、公表書類のみで許可を取得できるケースはほとんどありません。

しらき行政書士事務所では、就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)から高度専門職ビザへの変更を成功させるために、それぞれの申請人様の事情を考慮したうえで、追加で添付すべき書類(および添付すべきではない書類)を判断し、最適な申請を行わせていただきます。

終わりに

就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)の外国人の方が、高度専門職のビザに変更するためには、高度専門職ポイント計算表において、70ポイント以上が必要とされます。

しかし、高度専門職ポイントが70ポイント以上あったとしても、年収300万円以下のケースであったり、仕事内容が高度人材としての活動でなかったりする場合は、高度専門職ビザへの変更は行えないため注意しましょう。

高度専門職ビザに変更する際は、個々のケースで必要となる書類が異なります。高度専門職ビザへの変更を成功させるためには、専門家のアドバイスのもと、必要な書類をしっかりと集めて提出しましょう。

就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)から高度専門職ビザへの変更を考えている外国人の方で「高度専門職ビザについて、もっと詳しく教えてほしい」「自分のケースでは、高度専門職ビザのどの活動内容に該当するのか分からない」といったお悩みを抱えている場合には、お気軽にお問い合わせください。

しらき行政書士事務所では、これまで在留資格「高度専門職」の申請代行や、複雑なポイント計算のサポートを通じて、永住許可の優遇など特典の多い高度専門職の取得を実現してまいりました。初回のご相談は無料となっておりますので、少しでも高度専門職ビザの手続きについて不安をお持ちの方はお気軽にお問合せ下さい。

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