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【インタビュー】四国のビザ申請に関わる行政書士として

本日は、香川県高松市にてビザの申請業務を中心に活躍されている「しらき行政書士事務所」の行政書士、白木衛(しらきまもる)さんにお話をお伺いいたします。よろしくお願いいたします。

白木よろしくお願いいたします。

ビザの申請を専門とした経緯

まず最初に、ビザ申請業務を専門とするようになった経緯について教えてください。

白木はい。そのご質問にお答えするには、私の留学経験と台湾出身の妻との結婚という、2つの経験からお話しするほうがよいかもしれません。

まず1つめですが、私がイギリスに留学した際、学生ビザの手続きをした経験です。手続き自体はそれほど難しくはありませんでしたが、言葉や法律が良く分かっていない状態だと、許可になるまでが不安でしょうがありませんでした。

2つめに、私が会社員になってから台湾出身の妻と結婚したときのビザ申請の経験です。結婚すれば簡単にビザが下りると思っていたのですが、困ったことに、そんなことは全くありませんでした。入管は偽装結婚を疑ってくるし、なんだか嫌な気分にさせられてしまい、手続きのためには平日に入管や市役所、台湾の駐日公館に何度も足を運ぶ必要もありました。そして留学のときと同様、申請してから「本当に許可になるのか?」というのがずっと心配でした。

なるほど、ご自身の留学と国際結婚の経験、これによって「ビザの手続きで困っている人の力になりたい」と行政書士を目指されたのですね。

白木いえ、実は全然そんなことはなくて(笑)。会社員のとき、将来への漠然とした不安から「何か資格を取ろう!」と思い立って、よく「資格の登竜門」などと紹介されてることの多い行政書士の試験を目指しました。そして2014年に試験に合格したのですが、その後になってようやく、実はビザの手続きが行政書士の仕事だと知りました。

そうなんですね(笑)。ご自身で大変な思いをされた手続きが、実は行政書士の主な業務の1つだったと。

白木はい。でもだからといって、行政書士の試験に合格してすぐ「ビザ専門」でやったかと言えば、実はこれがまた、そうでもなかったんです。

まずは事務所で修業をと思い、入った先は、行政書士と土地家屋調査士のダブルライセンスの事務所でした。ここでは農地転用や土地関係の仕事が中心ですから、まったくビザとは関係なかったですね。そこで1年ほど修業して、行政書士として独立しました。

確かに、土地家屋調査士との兼業事務所であれば、ビザの申請よりも農地転用など土地関係の仕事が主になりそうですね。

白木そうですね、そして行政書士として独立しても、実はその状況がしばらく続きました。やはり前職で経験したことは仕事として進めやすいですし、関連性も高いですから。

でも、そのまま土地関係の業務を専門とはしなかったのですね?

白木最初にお話ししたように、ビザの手続きで困った経験から「それでもいつかはビザ専門で!」という思いは強かったです。

でも、行政書士として独立してからも、残念ながらなかなかビザ申請に携わる業務を受任する機会はありませんでした。私が初めて申請をしたのが2018年になってからですから、独立して2年経って以降になりますね。

行政書士さんは業務範囲が広いので、何の仕事が入ってくるのかというのは地域やタイミングによってかなり異なるようですね。

白木そうなんですよ、よく「行政書士の専門は自分で選ぶのではなく、依頼者さんによって作られるのだ」などと言われることがあります。でも私は、どうしてもビザに携わる仕事がしたかった(笑)。2年経ってからのご依頼は、だからこそ嬉しかったですね。

でも1件目のビザの依頼を完了させると、不思議とその後はビザ手続きのご相談やご依頼が続くようになりました。ありがたいことです。今では、当事務所で取り扱う業務の大半がビザ申請になっています。

ちょっと遠回りにはなったけれども、最終的には携わりたい業務を専門とすることができたのですね。

白木そうなります。 私自身に妻のビザ申請で味わってきた不安や不満がありますから、相談者様や依頼者様が感じることが痛いほどよく分かります。だからこそ、ビザ申請での困りごとや嫌な気持ちを解消できるようにお手伝いしたいという気持ちが強いんです。

入管と外国人の間の「翻訳者」として

ところで、そのビザの申請といえば、入管の担当者さんが冷たいとか怖いという噂も耳にします。実際のところ、その辺はどうなのでしょうか?

白木基本的に、入管の皆さんは良い方だと思います。とはいえビザを申請するご本人や当事者の方が入管に行くと、ついつい感情的になってしまうことも多いようなので、それが原因でキツく言われてしまうこともあるかもしれません。また、入管は外国人の置かれた事情は理解してくれますが、だからといって恩情で何かできるものでもなく、法令に則った対応しかできません。それが冷たい印象に映ることもあると思います。

でも外国人の方からしたら、法律について母国語以外で説明されても、なかなか十分には理解できないので、ここは本当に難しい問題ですよね。

確かにそうですね。そのあたり、白木さんは行政書士としてどのように対処されているのでしょうか。

白木依頼者の伝えたい内容を、客観的な資料や事実に基づいて説明することで、入管側に依頼者の意図が伝わるようにというのは常に心がけています。

言い換えれば、依頼者と行政の間に立って、それぞれの伝えようとしている内容を「翻訳する」こと、これが私の行政書士としての役割だと思います。

単なる書類作成だけではない、と。

白木書類作成は最終的な形であって、そこに至るまでに依頼者の方の状況確認、状況に応じた事前調査、入管との調整、申請にあたって有利となる情報を収集などのプロセスが大事で、それがあってこその申請です。

公表されている書類を準備して、その内容を申請書に書く。これでOKとなるケースもあるにはありますが、そもそもそういった方はご自身で申請されるでしょう?行政書士に依頼するという事は、それだけ複雑であったり、特殊な事情があるわけです。そうでなければ費用を払ってまで依頼しようと思いませんよね。それに答えるのが私の役目です。

行政書士の業務の中でもビザの申請は特殊

今回お話を伺って、ビザの申請というのはやり甲斐がある反面、他人の人生が左右されるわけですから、かなり気を遣われるお仕事でもあるのだなと思いました。

白木行政書士の業務は、基本的に要件が揃っていれば「許可」となる手続きがほとんどなんです。許可とならない場合でも、行政側もこちらの状況を斟酌して許可となる方法を一緒に探ってくれます。

その対極にあるのが、ビザ申請業務といえます。こちらは原則「不許可」なんです。

許可が前提なのか、不許可が前提なのか、ということですね。

白木はい。つまりビザ申請はマイナスからのスタートです。そこから、なぜこの人が日本に来ないといけないのか、日本で生活していかないといけないのかについて、様々な資料で立証していくことになります。それが十分であれば、許可となる手続きですので、何でもかんでも許可にはなりません。

そんなわけで、出入国在留管理庁がウェブサイト等で公表している必要書類だけ準備しても、許可となることは難しいのが現実で、様々な裏書類が要求されるわけです。「そんなの知るか!」って感じですが(笑)。

公表されている書類だけでは許可が難しい、それは大変そうです。

白木定型的な業務ではなく、不許可となるリスクも高い業務なので、「ビザ申請業務はしません」という行政書士の方も多いです。でもビザ申請をする人は外国人です。複雑怪奇な手続きを母国語以外で進めなければならないとするなら、十分に自分の意図が伝えられずに不許可となる可能性は高いですよね。そういう申請こそ、専門家がお手伝いすべき分野の業務だと私は考えています。

特に日本語が得意でない方の場合は、実際に英語や中国語に翻訳・通訳して専門的な内容を分かりやすく伝えることもしています。この辺もまた、最初にお話しした、私の2つの経験が影響しているのだと思います。

香川県のビザを専門とする行政書士として

行政書士さんでもビザ関係は扱わないという方もいらっしゃいますね。ところで少し話題が変わりますが、白木さんはビザを専門とする行政書士さんでもあり、また香川県の行政書士さんでもあるわけですが、香川県ならではの事情を教えていただけますか。

白木香川の外国人の方は「香川で勉強し、住みやすくて就職したい。でも、なかなか就職先がない」と思われていて、企業さんの側は「外国人を雇用したい。でも、ビザ手続きがよく分からない。できる仕事も決まっているみたいだし・・・」と思われていて、お互いに香川で働く環境を望んではいるものの、その間にいくつもの壁がある、という状況ではないかと思います。

行政書士として常に実感するのは、その一番の壁がビザの手続きだなと。その壁を取っ払って、地方都市でも外国人が希望するば仕事に就け、企業側も必要とする人を雇用できるように、お手伝いできればと思っています。

香川県では、ビザ申請を専門とする事務所は多いのでしょうか?

白木以前、とある会合に参加し「香川県にはあまりビザ手続きの専門家がいないみたいのなので、県外の専門家にお願いしないといけない」という話を聞いた事があります。

その話を聞いた時、まだ私はビザ申請業務を始めたばかりでしたが、申し訳ないような情けないような気持になったと同時に、「なら、俺がやったるわ!」と気合スイッチが入ったのも覚えています。

香川県のような小さな県では外国人に関するビザ手続きの絶対数が少ないので、専門で取り扱う人も限られています。ほとんど居ない、といっても過言ではないかもしれません。

なかなか地元で専門的に取り扱っている行政書士さんが見つけられず、遠くても大阪などのビザ専門事務所に依頼している企業さんも多いのかもしれませんね。

白木そうですね、ある程度の規模がある企業さんは、より専門特化した信頼できる事務所に依頼している傾向はあると思います。

私は鳥取県出身ですが、香川県には2011年から10年以上住んでいます。香川県は気候も良いし、日本一面積が小さい都道府県という事だけあって色々なものがコンパクトにまとまっていてすごしやすいです。

入管の手続きに限れば、香川県の高松入管で四国4県のビザ申請ができるという利便性もあります。それも活かして、第二の故郷となるであろうこの香川県を中心に、四国におけるビザの専門家として皆様をお手伝いしていきたいと思っています。

四国にもビザ申請を専門として取り扱う行政書士がいるんだ、ということがより認知されていくとよいですね。今日は色々とお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

白木こちらこそ、今日は暑い中(※)、ありがとうございました。地元の企業さんに認知してもらえるよう、今後はより一層の情報発信を心がけていこうと思います!

※インタビューは2021年7月に行われました。

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