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帰化申請の条件、審査基準・手続きの方法・注意点

帰化申請(きかしんせい)とは、日本国籍をもらうための手続きのことです。今、日本に住んでいて、日本人になりたいと思っている外国の人は、この申請が必要です。

帰化申請をすると、日本の国の一員として、いろいろな権利と責任を持つことができます。しかし、誰でもすぐに帰化できるわけではありません。日本に何年住んでいるか、お金がしっかりあるか、ルールを守って生活しているかなど、いくつかの条件があります。

このページでは、「帰化申請の条件とは何か?」「どうやって申し込むのか?」「どんなことに気をつければよいか?」を、専門家がやさしい言葉でわかりやすく説明します。これから帰化を考えているあなたの助けになる内容なので、ゆっくり読んでしっかり準備しましょう。

帰化申請とは?日本国籍取得のしくみ

帰化申請とは、外国の人が日本人になるために申請する手続きのことです。帰化申請が許可されると、日本の国籍をもらうことができます。

日本に長く住んでいて生活している人の中には、「日本人になりたい」と思う人が多くいます。日本人になると、選挙に出たり投票したり、日本のパスポートを持ったりできるようになります。しかし、ただ「なりたい」と言うだけではだめで、日本のルールにしたがって「帰化申請」をして、審査を通過しないといけません。

帰化申請は、「日本でこれからもずっと住みたい」「日本人として生きていきたい」と考える人にとって、とても大事なステップです。まずは、帰化申請のしくみをよく知って、自分にできるかどうかを確かめていきましょう。次の見出しでは、「帰化申請の条件」について詳しく説明します。

帰化申請の主な条件と審査基準

帰化申請をするには、いくつかの「条件」があります。すべての条件を満たしていないと、日本人になることはできません。

日本は、外国の人が誰でも簡単に国籍をもらえる国ではありません。きちんと生活していること、日本の社会に合っていることなどをしっかりチェックします。そのために、いくつかの条件を法務局が決めているのです。

帰化申請の主な条件は、次の7つです。

  • 居住条件:日本に5年以上住んでいること
  • 能力条件:成人になっていること
  • 素行条件:ルールや法律を守っていること(交通ルール・税金など)
  • 生計条件:十分な収入や仕事があること(生活が安定していること)
  • 国籍条件:今の国籍を失うこと(重国籍は原則NG)
  • 日本語能力条件:日本語で日常会話や読み書きできること(小学3年生レベル)
  • 憲法遵守条件:日本の憲法の決まりを守ること

帰化申請を考えている人は、まずこの7つの条件をよく知って、自分があてはまっているかをチェックしましょう。すべての条件をクリアできそうなら、次のステップ(書類や手続き)に進めます。

ここからは、それぞれの条件について、順番に詳しく解説します。

居住条件

一般的に、5年以上日本に住んでいることが必要です。日本では、「長く日本に住んでいて、日本の生活にしっかりなじんでいる人」なら、日本人になることを許可しています。なので、日本にどれだけ長く住んでいるかが、まずチェックされるのです。

引き続き5年間日本に在留していることが条件となりますが、そのうち少なくとも3年間は、就労ビザを取得したうえで正社員または契約社員として働いている必要があります。

この3年間の就労期間中に転職しても問題はありません。ただし、留学ビザのもとで行っていたアルバイト期間は、就労期間としてはカウントされませんのでご注意ください。

能力条件

帰化申請は、「日本の法律で大人とされる人」「自分の行動を自分で決められる人」でなければ行えません。つまり、18歳以上で、しっかり判断できる人が条件になります。

ただし例外として、未成年の子どもであっても、両親と一緒に帰化を希望する場合には、18歳未満でも申請することが認められています。このような特例は、家族そろって同時に帰化申請を行うケースに限り適用されます。

素行条件

「ふだんの生活のしかた」がとても大切です。日本のルールやマナーを守っている人でないと、帰化はむずかしくなります。

日本の国は、国民になる人に「まじめで信頼できる生活」をしてほしいと思っています。そのため、犯罪や違反をしていないか、税金や保険をきちんと払っているかなどをチェックします。

なお、「昔の失敗」については、すぐに素行条件を満たさないことになるわけではありません。例えば、何年も前に軽い違反があっても、その後しっかり生活していれば問題なしということもあります。大切なのは、今まじめに生活していることです。

生計条件

帰化申請では、「自分の生活を自分で安定して続けられるか」が大切です。つまり、ちゃんとした収入や仕事があることが条件になります。

日本では、国民になる人に「日本で安心して暮らしていける力」があるかを見ます。お金がまったくないと生活が苦しくなり、国や周囲の人に頼ってしまうかもしれません。そのため、自分の力で生活できるかどうかをチェックします。

生計条件として決まった金額はありませんが、家賃や生活費を含めて、自分や家族が普通に暮らせるくらいの収入があることが大切です。1人暮らしで年収300万円程度が目安になることもあります。ここに扶養に入る人が増える場合、求められる年収額が1人につき50万円~80万円程度増えるのが一般的です。

国籍条件

日本では、2つ以上の国の国籍を持つこと(重国籍=じゅうこくせき)は、基本的に認められていません。そのため、日本人になるためには、今の国籍を「放棄」=やめる約束が必要です。

なお、国籍の放棄が非常に難しい国もあります。このような場合は、事情を法務局にきちんと説明すれば、帰化できる場合もあります。あきらめずに相談しましょう。

日本語能力条件

帰化申請では、日本語がしっかり使えることが必要です。話すだけでなく、読む・書く・聞く力も大切です。

日本で生活するためには、日本語で仕事をしたり、病院へ行ったり、役所の手続きをしたりする必要があります。日本人になるということは、日本の社会の一員になることなので、日本語がわかることはとても大切な条件なのです。

法務局では、小学3年生レベルの日本語能力が目安とされています。例えば、日本語を使って以下のようなことができれば、帰化申請には問題ないことが多いです。

  • 日常の会話ができる
  • 自分の名前や住所を書ける
  • 簡単な文章が読める
  • 書類の意味を理解して記入できる

法務局によっては、簡単な面接や筆記テストをすることがあります。ただし、学校の試験のように点数をつけるわけではなく、生活に困らない程度の力があるかを見るものです。

憲法遵守条件

日本には、「日本国憲法」という、国の最も基本的なルールがあります。帰化することは、「これからはこのルールを守って、日本人として生きていきます」と約束することです。なので、憲法を守る気持ちがあるかどうかは、帰化申請のとても大切なポイントなのです。

日本政府の体制を暴力的な手段で変えようとする思想を主張していたり、または過去にそうした主張を掲げる団体を設立・運営していた、あるいは所属していた経歴があったりする場合には、帰化申請は認められません。

帰化申請の手続きの流れと必要書類

帰化申請の条件を踏まえて、本章では手続きの流れと必要書類を解説します。

帰化申請の大まかな流れ【相談〜面接〜結果通知】

帰化申請は、いくつかのステップをふんで、少しずつ進んでいく手続きです。最初に法務局で相談し、書類を出して、面接を受けたあと、結果が出るまでしばらく時間がかかります。

以下に、帰化申請の基本的な流れをまとめました。

  1. 事前相談:法務局に行って、帰化申請したいと伝える(要予約)
  2. 必要書類の準備:本人や家族、仕事などの書類を集める
  3. 書類の提出:書類がそろったら、法務局に出す
  4. 面接:法務局で、日本語や生活について質問される
  5. 審査期間:法務局や法務省で、書類や面接内容をチェック
  6. 結果の通知:帰化が許されると「許可通知」が届く

書類の準備や相談、面接までに時間がかかるので、できれば申請の1年前くらいから準備に動き始めると安心です。

帰化申請に必要な主な書類一覧と取得方法

帰化申請には、沢山の書類を集める必要があります。本人の情報だけでなく、家族や仕事、収入などについての書類も必要です。1つずつ、丁寧に準備しましょう。

以下の表は、帰化申請で主に使う書類と、どこでもらえるかをまとめたものです。

書類の名前

詳細

もらえる場所

住民票

住んでいる場所を証明する

市区町村の役所

戸籍謄本

日本人の家族がいる場合に必要

日本人家族の本籍地の役所

在留カードのコピー

外国人としての身分証明

自分でコピーをとる

パスポートのコピー

出入国の記録が見られる

自分でコピーをとる

源泉徴収票

収入(しゅうにゅう)を証明する

勤務先の会社からもらう

納税証明書

税金を払っていることの証明

税務署または役所

勤務証明書

今の仕事についての証明

勤務先の会社に作ってもらう

家族の関係がわかる書類

国により違う(例:出生証明など)

自国の大使館・領事館など

写真(5cm×5cm)

顔写真

写真店やスピード写真機で撮影

外国で発行された書類は、翻訳をつけたり、日本語で書き直したりする必要があります。また、書類によっては自国の大使館や領事館に問い合わせて取り寄せる必要がある場合もあります。

帰化申請にかかる費用の目安

帰化申請そのものにかかる手数料は0円(無料)です。

ただし、帰化申請では沢山の書類を集めたり、写真を撮ったり、自分の国の証明書を翻訳したりするために費用が必要です。費用は人によって違いますが、合計で数千円〜数万円かかることが多いです。

帰化申請を成功させるためのポイント

最後に、帰化申請を成功させるためのポイントを3つ紹介します。

法務局での事前相談を有効に使う

帰化申請をうまく進めるためには、法務局での事前相談がとても大切です。事前相談をしっかり受けることで、必要な書類や流れがよくわかり、失敗を防ぐことができます。

帰化申請には、沢山の書類と時間がかかります。人によって必要なものや条件が違うため、自分だけで進めると間違いやもれが出やすいです。法務局では、あなたの国籍や生活の様子に合わせて、丁寧にアドバイスしてくれます。

帰化申請を考えはじめたら、できるだけ早く相談するのがベストです。申請の流れを早めに知ることで、スムーズに準備ができます。法務局によっては予約が必要なので、まず電話かホームページで確認しましょう。

審査で問われるのは「一貫性」と「誠実さ」

日本では、帰化申請をする人が「信じられる人かどうか」をとても大切に考えます。
なので、書類に書いたことと話す内容が違っていたり、生活の中に怪しい点があったりすると、審査にマイナスに影響します。ずっと同じことを言っていて、うそをつかない、まじめな人が、帰化に向いていると判断されます。

面接や相談時にもしわからないことがあってもごまかさず、それを正直に伝えるほうが信用されます。

書類の準備と日本語力に不安がある人は専門家に相談を

帰化申請には、条件をクリアすることと、正しい書類をそろえて出すことが必要です。また、法務局とのやり取りや面接では、日本語で説明できる力も求められます。

不安があるまま手続きすると、申請が止まったり、失敗したりすることもあります。なので、そういう場合は帰化申請をサポートしてくれる専門家に相談するのが安心です。

例えば、以下のような専門家が帰化申請をサポートしています。

  • 行政書士(ぎょうせいしょし):帰化申請の手続きサポートができる資格を持つ人
  • 弁護士(べんごし):法律の専門家。複雑なケースにも対応できる
  • 地域の外国人支援センター:無料や低料金で相談に乗ってくれるところもある

条件や書類、日本語に不安がある人こそ、早めに専門家に相談して、スムーズに準備を進めましょう。

終わりに

帰化申請をするには、いくつかの大切な条件があります。そして、その条件を満たしているかどうかを、沢山の書類や面接を通してしっかりとチェックされます。大切なのは、まじめに生活してきたこと、正直であること、日本でずっと暮らしていきたいという気持ちです。

帰化申請は、決して簡単な手続きではありません。ですが、準備をしっかりすれば、誰でもチャレンジすることができます。

「日本でこれからも生活したい」「日本人になりたい」と思う気持ちを大切にして、一歩ずつ、丁寧に進めていきましょう。心配なときは、専門家への相談を検討してください。

しらき行政書士事務所では、帰化申請手続きに関して、初回相談無料で対応しております。

対面での面談がご心配な方や、遠方で直接お会いすることが難しい方、受付時間内にお時間が取れない方にも、お気軽にご相談頂けるように各種オンラインツール(ZOOM、LINE、WeChat、Skypeなど)を利用しての面談にも対応しております。

これまでの経験と実績を生かし、帰化申請の手続きをサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

参考:法務省「国籍Q&A」

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