氏名表記に漢字が使われる国の方は、在留カードがアルファベット表記だと、普段の生活で不便を感じる場面があるかと思います。公的な申請や届出で氏名を漢字で書くと、「在留カードのとおりアルファベットで記載してください」と言われたなんて経験は多いのではないでしょうか?
そういった不便を解消する方法があります。所定の手続きを行うことで、在留カードに漢字氏名を追加することができるのです。
目次
在留カードに漢字氏名を追加する
中には「漢字氏名は自動的に在留カードに記載されないの?」と思われている方もいるかと思います。しかし、在留カードの氏名表記はパスポートに表記されているアルファベットが大原則です。
漢字氏名の記載を希望する場合、カード所有者が申し込みをする必要があり、それをしないとずっとアルファベット表記の在留カードのままです。
ここでは、在留カードに漢字氏名を追加する方法をご紹介したいと思います。
2つのタイミングで在留カードの漢字追記が可能
実際に在留カードに漢字氏名をついかできるのは、以下の2つのタイミングになります。
②いつでも自分の希望するタイミング
①ビザ更新やビザ変更時に、新しい在留カードが発行されるタイミング
まず、①のタイミングですが、ビザの更新や変更の際には、許可となれば新しい在留カードが発行されます。その受け取り時に「在留カード漢字氏名表記申出」を行うことで、新しく発行される在留カードにご自身の漢字氏名が表記されます。この場合、漢字氏名追記にかかる手数料は無料となります。
②いつでも自分の希望するタイミング
次に②のタイミングですが、自分が好きなタイミングで、在留カードへの漢字氏名追記が行えます。
手続きは最寄りの出入国在留管理局で行い、手続きの種類は「交換希望による在留カードの再交付申請」となります。この申請書に交換を希望する理由を記載する欄がありますので、そこに「漢字氏名の追記」と書いて、あわせて「在留カード漢字氏名表記申出書」を提出すれば、新しく漢字氏名が入った在留カードが発行されます。
ただし、②の手続きの場合は、手数料として1,600円かかりますので注意してください。
ちなみに、漢字表記を申し出て、一度在留カードに漢字氏名が追加されたあとは、ビザ更新やビザ変更時に新しいカードになるときでも、自動的に漢字氏名が表記されるようになります。
申出には漢字表記の身分証明書が必要
漢字表記の申出を行うにあたって必要なのが「本国において氏名に漢字が使用されていることを証する資料」です。台湾や中国の方の場合、パスポートに漢字表記がありますので、それが漢字氏名を証明する資料となります。
一方、韓国の方の場合、漢字氏名がパスポートには表記されていません。そのため、別の証明書が必要です。韓国では住民登録証が身分証明書として一般的なようですので、それを提示することでご自身の漢字氏名を証明できます。
在留カードに漢字氏名を表記するには、ご自身の国で漢字氏名が正式に認められているという証明が必要となります。
使用できる漢字が決まっている
在留カードの漢字表記に関しては、使用できる漢字は「法務省の告示において規定されている正字」に限られます。そのため、簡体字等によっては、正字に置き換えられたら本来の意味と異なる漢字になってしまう可能性があります。
自分の国で使用している漢字と、日本で使用できる漢字が異なると不都合が生じる可能性もあります。事前に出入国在留管理庁の「正字検索システム」を利用すれば、自分の漢字氏名がどの漢字に置き換えられるのかを確認することができますので、こちらで事前に確認することをおすすめします。
在留カードの漢字氏名表記でお困りの方へ
在留カードへの漢字氏名の追加手続きは、そこまで難しい手続きではありません。しかし、「ビザ更新時に漢字表記をしようと思っていたけどついつい忘れていた」、「自分の漢字がどのように日本の正字に変換されるのかよく分からない」ということもあるかと思います。
しらき行政書士事務所では、ビザ更新やビザ変更をご依頼いただいた方で、新しいカード発行時に漢字氏名の追記をご希望される場合、無料でその手続きを行っております。また、ご自身の漢字氏名が在留カードにどのように表記されるかを事前にお調べすることも可能です。
在留カードの漢字氏名の追加のことで気になる事がございましたら、お気軽にしらき行政書士事務所へお問い合わせください。