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【インタビュー】国際結婚の手続き

まず、どんな国の方から相談を受けることが多いのですか?

白木国籍はバラバラですね。やはり日本に多く在留している中国、ベトナム国籍の方からが多いですね。後はフィリピン、ミャンマーなどアジアの方が多いです。欧米ではアメリカ、イギリスの方からご相談を受けます。

日本に近い国の人、そして日本と関わりの多い国の人からの相談が多いのですね。ところでその国際結婚なのですが、どのような手続きを進めていく必要があるのでしょうか。

白木国際結婚の場合、それぞれの国で結婚手続きをする必要があります。それぞれの国で法律が異なるので、双方の国で法的に結婚していることが必要です。日本人同士の結婚とはここが大きく異なります。

また、どちらの国で最初に手続きするかで、その手続きの手間が大きく異なります。イギリスを例に挙げると、イギリスで最初に結婚手続きをする場合、日本人側が結婚のための入国ビザ手続きをしたり、イギリス側での手続きのために一定期間イギリスに滞在する必要が出てきます。

一方で、日本側で最初に手続きをする場合、日本側で手続きが終われば、イギリス側での手続きは不要です。イギリスの法律で、日本で結婚が成立していれば、イギリスでも同様に結婚が成立したとみなされるからです。

そして、結婚をした後はビザを取得しないと一緒に住む事とができません。結構なかたが、結婚したら自動的にビザがもらえると勘違いされますが、結婚とビザ取得は別物です。法律的に結婚していても、ビザの審査で不許可になれば一緒に住む事はできません。ですから、結婚する場合は、結婚してその後のビザ手続きまで見越した資料を準備する必要があります。それがうまくいかないと、一時的に離れ離れになったり、最悪ビザが不許可になって長期間一緒に住めなくなるという事もあり得るのです。

ずばり、国際結婚の手続きは難しいものなのでしょうか?

白木結婚の手続き自体は、それぞれの国によって異なりますが、基本的には必要な書類を揃えればそこまで難しくないと思います。書類集めに時間はかかるかもしれませんが、両者がそれぞれの国で必要な書類をきっちり準備できれば、決して難しい手続きではありません。お互い好きになって一緒に暮らしたいと思っているわけですから、そのあたりの書類準備は二人の愛が強ければ大きな壁とはならないでしょう!

ただ、既にお話しましたが、結婚手続きの後に控えるビザ手続きが厄介です。結婚は法的要件や必要な書類が揃えば、不成立という事にはなりません。一方で、ビザの場合は、結婚の真実性というところをかなり細かく審査しますので、その結婚が形式的なものではないのか?ビザ取得を目的とした偽装結婚ではないのか?などという観点から審査されます。

国際結婚をする上では、法律的な結婚の手続きに加え、ビザ手続きというものを見据えて事前の情報収集など、しっかり準備をして進める必要があります。

白木さんはご自身も国際結婚を経験されているわけですが、やはりその辺の手続きは難しいと感じられましたか?

白木そうですね。当時、私は会社員で今のようにビザに関する知識が一切ありませんでした。なので、何から手を付けたらよいか分からず、インターネットや書籍で調べたり、入国管理局で相談に行ったりして準備をしました。当時は営業職だったので、外回りの合間に役所や入管に行けたのでやりやすかったのですが、平日動けない仕事だったらとてもじゃないですが自分ではできなかったと思います。また、入管に聞いても親切に教えてくれるわけでもなく、心配性な私は「これで本当に許可になるのかしら?」「ビザが下りなかったらどうしよう…」とネガティブな事ばかり考えていました。

今なら、過去の自分の申請は問題なくビザが下りると分かりますが、当時はビザの事など全く経験がなく、どこをどう審査されるのか全く見当がつかなかったので不安しかなかったですね。そういう意味では、手続きが複雑という事もありますが、何も分からない不安というのが一番大きかった気がします。

手続きの中で。いまだからこそわかる「あれって勘違いしていたな」とか「こんな書類が必要なんて思ってもなかった」みたいなものってありましたか?

白木結婚当時、私は就職1年目だったため、必要書類とされた所得課税証明書や納税証明書が市役所で取得できない状態でした。必要な書類が出せなかったら申請できないんじゃないのかと心配したのを今でも覚えています。今なら、必要な書類が出せない場合は、それに代わる書類を任意で出したらそれをもとに審査してもらえると分かりますが、当時はそんなこと全く分かりませんでした。入管に聞きに行ってもはっきりと教えてくれなかったので、結局自分なりに考えてこれまでの給与明細のコピーを出しました。

他には、妻との出会いから結婚に至るまでの詳細な内容を書かされたことですね。こんなことめちゃくちゃプライベートで、絶対に他人に教えたくないことなのに、それを赤裸々に書かないといけないなんて…。納得できなかったので、申請を出すときに審査官の方に「何でここまで書かないかんのや!」と文句言ったのを覚えています。そのときに「ほとんどの方はそうではないのですが、中には偽装結婚する人達もいるのです。そういう一部の人がいるから、本当に結婚して一緒に暮らしたいと思っている人には迷惑をおかけしています」という回答でした。まともな人が割を食うのもなんだかな~と思ったのを覚えています。

あと、海外側の結婚手続きで、独身証明書というものが必要なのを初めて知りました。日本人同士なら市役所に行って婚姻届を出せば済みますが、国際結婚では普段絶対に取らないであろう証明書類を取らないといけないので、そもそもそんな証明書が存在してたのかと驚いた記憶があります。

そこから、いまは行政書士として国際結婚を含むビザの申請を専門とされていますが、実際、行政庁はどのようなところを確認してくるのでしょうか?

白木やっぱり配偶者ビザで入管が一番みるのは「結婚の真実性」です。男女が付き合って、お互いが好きになって、結婚するというのは自然の流れです。しかし、国際結婚の場合は、どうしてもビザの問題が絡んできます。そして、配偶者ビザの特性上、偽装結婚の疑いというものが必ず関わってきます。というのも、配偶者ビザの場合、取得できれば、一切の就労制限がなく、日本人と同様にどんな仕事にも就けるのです。

このように就労制限が無いビザはいくつかありますが、取得の要件が限定的で取得できる人が限られます。しかし、配偶者ビザの場合、日本人と結婚すれば取得の要件を満たすため、他の就労制限が無いビザに比べて圧倒的に取得しやすいのです。それを悪用して、形の上で結婚して、実際に夫婦関係がないにもかかわらず、配偶者ビザ取得をもくろむ輩がいるのも事実です。そういう結婚紹介ビジネスが盛んな国もあるようですが…。

そんなわけで、はっきり言ってしまえば、入管は「偽装結婚でないのか」と言うところを第一に見るわけですね。そのため、出会いから結婚の経緯を書かせてみたり、二人で写ったスナップ写真やメッセージのやり取りを要求したり、本当に付き合って結婚しているのか?ちゃんと二人でコミュニケーションが取れているのか?というところをチェックするのです。後は、結婚式の有無も重要で、そもそも偽装結婚なら結婚式するはずが無いのです。また、出会ってから結婚までの期間が短い、年齢差が大きい等の場合は、技能結婚の疑いを持たれます。

普通に結婚している人からしたら迷惑極まりない話ですが、自分たちの結婚は真実の結婚であるという事を、入管に対して積極的に立証する必要があります。本当に嫌がらせのように、二人で写った写真やメッセージのやり取りを「これでもか!」というくらい提出したらよいと思います。私は自分の申請の時にそんな感じで資料出しましたから(笑)

後は、日本で生活する上で経済的に問題が無いかという点も見られます。定職があれば問題ないですが、仕事がまだ決まっていない場合もあるかと思います。そんな場合は、実家で親と一緒に暮らすであるとか、仕事はまだないが内定をもらっているなど、問題なく生活ができる具体的な根拠があれば、その点はクリアできます。

それを前提に、「こんな結婚のパターンだと難しいな」といったものはありますか?

白木やはり年齢差が大きい場合ですね。年齢差が大きければ大きいほど偽装結婚を疑われる可能性が高くなります。なので、私は年齢差が大きい場合は、その点についてお二人から詳しくお話をお聞きします。年齢差が大きくても、お互いの価値観や考え方などをお聞きして、その内容を理由書や説明書でしっかり説明するようにしています。

他には、出会ってから結婚までの期間が短い場合です。一般的に国際結婚の場合、通常の結婚よりも交際期間が長くなる傾向にあります。やはりコミュニケーションや文化の違いが影響しますからね。それが、であって1-2か月で結婚となると、そんなに早くお互いの事を理解したんですか?と入管から突っ込まれるポイントになるんですね。その場合も、結婚に至るまでの経緯を詳細にお聞きした上で、なぜ早く結婚したのかという点をしっかり説明する必要があります。

後は、結婚する前にお互いが直接会わないケースです。メッセージのやり取りやビデオ通話だけで、直接会う機会がほとんどなく、数回会って結婚となると、「本当に大丈夫?」と思われても仕方ない部分があります。これについても、なぜ直接会う回数が少ないのか?という理由をしっかり説明しないと、結婚の真実性に書けると判断され、不許可となる事がありますね。

「先に相談してもらえれば……」みたいな、面倒な事態に陥ってから相談されるケースもあるのでしょうか?

白木最初でもお話した、結婚の順番ですね。どっちの国で最初に結婚手続きをするのかで、後の手続きのスムーズさが変わりますからね。一般的には、ビザを申請しようとする国での手続きを先に進めた方が良いです。ですから、日本でビザを申請して日本で住む予定であれば、日本側での手続きをした方が良い場合はほとんどです。

後は、ご自身でビザ申請をしたら、不許可になったので、再申請をお願いしたいという場合です。一度不許可になってしまうと、その記録は入管に残ります。そのため、再申請で前回の申請で不許可となった部分を解消しないと許可になりませんし、前回の申請と矛盾があれば、また不許可になる事もあります。ですので、最初の申請前にご相談をいただいていれば、入管が特に注意してみてくるポイントをしっかり説明するなど、初回で許可が取得できるようにお手伝いできたのに…という事は結構多いですね。

そのほかに、国際結婚と関連してよく相談や依頼をされる手続きってありますか?

白木そうですね。多いのが連れ子です。外国籍の方が、過去に離婚歴があってお子さんがいる場合があるので、そのお子さんも一緒にビザを取得したいというご相談があります。この場合、お子様が未成年であれば定住者ビザで呼び寄せる事ができますが、成人していたらダメです。ちなみに民法が改正されて、成人年齢が引き下げられたため、連れ子の場合は18歳未満でないと呼び寄せできないので注意が必要です。

他には、ご両親を呼び寄せ鯛と言うご相談を受けるのですが、原則できません。日本人と結婚したり、その後に永住者となったりすれば、母国の親御さんを日本に呼べると思っている方も多いのですが、原則できません。ご家族で呼べるのは先ほど挙げた未成年のお子様だけです。親御さんの場合は、どうしても母国で面倒を見る人がいない場合など、かなり特殊な事情がある場合などに限られます。

他には、短期滞在ビザで、家族を呼びたいというご相談です。ノービザで日本に来られる国(アメリカ、台湾など)でしたらこの手続きは不要ですが、多くの国は日本に来るのにビザが必要です。この場合短期滞在の「親族訪問」というカテゴリになります。短期滞在ビザの場合は、現地の日本大使館・領事館での申請になるので、日本側での申請ではないのですが、日本で呼び寄せる親族が準備する書類もあるため、その書類の準備を依頼される事もあります。

あと、日本人と結婚して、長いこと日本に住んでいる方から、日本国籍を取得したいという帰化申請のご相談をいただく事もあります。帰化申請の場合は、申請先は法務局となり、ビザの場合とは異なります。また、帰化申請にはビザ申請にはない日本語のテストもあったり、母国の親族の証明書類を取得しないといけないなど、なかなか大変です。国籍を変えるという事はおおごとですからね。相談を受けて実際に帰化が許可されるまで1年以上かかるケースも多く、腰を据えてじっくり取り組む必要がある手続きです。

他には、日本人と離婚する場合の事な度も相談を受けます(国際結婚のインタビューにあまりふさわしくないかもしれませんが…)。配偶者ビザは、その名の通り、日本人と結婚している事でもらえるビザです。もし離婚してしまうと、その要件から外れてしまうため、配偶者ビザで日本にいることはできなくなります。そのため、配偶者ビザから別のビザに変更しないといけないのです。例えば、結婚期間が3年以上で、日本での生活が長い場合などは定住者ビザへの変更が可能です。その要件に該当しない場合は、個人個人の状況をお聞きした上でほかのビザへの変更が可能かどうか検討させていただいています。

国際結婚というと詐欺のニュースもよく目にします。白木さんが業務に携わる中でも、そういった疑いのあるケースというのはあるのでしょうか?

白木正直、そういったお話もありますね。SNS等で知り合った方と結婚を考えているので配偶者ビザのご相談に来られる方がいらっしゃいます。色々お話を聞いてみると、何となく怪しいと感じるんですね。連絡はメッセージのみで、あった事もないしビデオ通話すらないと。相手は会社経営してお金を持っているはずなのに、何故かお金を要求して来るとか。

あとはなぜか、自分の存在を証明するためにパスポートの写真を送ってくるとか。そもそも自分の存在を証明するなら、ビデオ通話で実際に顔出すのが一番早いし確実やろ!と突っ込みそうになりますけど…。相談に来られた方は、自身が騙されているはずがないと思っているので、こちらからお伝えするのもなかなか難しくて…。ご自身で気づいてもらえるように、不自然な部分をそれとなくお伝えしています。こういうことにならないためには、急に海外の方からメッセージが来た場合は、一切取り合わないというのが一番ですね。

これから国際結婚をされる方のために、ここだけは押さえておこう的なアドバイスがあればお願いします

白木これまでもお伝えしたように、国際結婚には、法律的な結婚の手続きと、ビザの手続きおの2つの要素が関わってきます。二人で一緒に結婚生活を送るためには、それらの手続きをクリアする必要がありますが、必要書類の準備やそれぞれの国での手続きなど、通常の結婚よりも時間と手間がかかります。また、ようやく結婚手続きが終わったと思っても、今度はビザの手続きが出てきます。ビザで不許可になれば最悪一緒に暮らせない期間が長引き可能性もあります。

このような事態を避けるためにも、結婚から一緒に生活するまでの手続きの流れ、スケジュールなどを、事前にお二人で話し合い、しっかり事前準備をする必要があります。私自身、妻と結婚したときは色々調べて、断片的な情報をつなぎ合わせて苦労してビザを取得した記憶があります。インターネットなどで国際結婚に関する情報は簡単に取得できますが、そもそも自分の場合に100%当てはまる情報を見つけ出すのは、逆に情報が多すぎて苦労するかと思います。

事前準備にあたって、二人ではよく分からないというときは、専門家のアドバイスをうけるのもおすすめです。配偶者ビザは結婚と手続きとビザ手続きのことなる手続きが関係しているので、そのあたりに詳しい専門家にアドバイスを受ければ、その後の手続きはスムーズに行くと思います。また、ビザの許可見込みなどもアドバイスもらえると思いますので、それだけでもかなり安心するかと思います。

私自身、当時は専門家の存在を知らずに、自分で調べてやりましたが、不安だらけで何とかビザ取得までたどり着いたという感じです。そういった不安を少しでも減らす意味でも、専門家にご相談するは一つの方法かと思います。

ありがとうございました。

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