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【相談事例】永住許可申請で扶養家族の数が多い場合の注意点

相談者:

家族6人で生活していますが、永住申請をしたところ収入不足を理由に不許可になってしまいました。再申請ではどこを改善すべきでしょうか?

回答:行政書士

永住許可の審査では、安定した収入が家族全員を十分に支えられるかが最重要ポイントになります。特に、住民税課税証明書に記載される扶養人数は、入管が生活基盤の安定性を判断する際の主要な指標となるため、記載内容によって結果が大きく左右されます。

この記事では、永住取得後に扱われる扶養の考え方、申請書類で注意すべき点、そして実際に多い不許可事例とその改善策について、初めての方でも理解しやすい形でわかりやすく説明します。

永住許可申請で扶養家族の数が増えれば収入要件も上がる

永住申請では、扶養している家族の人数が多いほど生活費の負担が大きくなるため、その分、必要とされる収入水準も実務的には高めに見られる傾向があります(具体的な金額は公表されていませんが、扶養1名増えるごとに必要年収が上がるとされています)。

提出書類のひとつである「住民税課税証明書」には扶養人数が記載されており、この数字は審査で非常に重要な意味を持ちます。入管は永住審査の際、「その収入で家族全員が無理なく生活できるか」という生計の安定性を必ず確認します。扶養家族が多いほど生活費の負担は大きくなるため、より高い収入・より安定した財政状況が求められるのです。

そのため、扶養人数が多い申請者には、課税証明書以外にも、収入証明・銀行残高証明・家計の状況が分かる書類の追加提出を求められる場合があります。

「扶養に入れれば税金が安くなるから」と安易に家族を扶養に入れてしまうと、永住審査では逆効果になることがあります。収入と扶養人数のバランスが取れていないと、生活が安定していないと判断され、不許可の原因となり得るため注意が必要です。

そもそも扶養家族とは

扶養家族とは、日常生活に必要なお金を本人の代わりに負担している家族のことを指します。生活費のすべて、または一部を継続して支援している場合、その家族を「扶養家族」として役所(税務署・区市町村役所・社会保険事務所など)に登録できます。

扶養にできる範囲は制度ごとに異なります。税金の「扶養控除」における扶養親族は、所得税法上「六親等内の血族および三親等内の姻族」のうち、生計を一にし、一定以下の所得である人が対象です。

一方、健康保険の「被扶養者」は原則として三親等以内などに限られ、要件も税法とは別に定められています。また、国外に住む親族については、税法上は一定要件を満たせば扶養にできますが、健康保険では 2020年の制度改正以降、原則として被扶養者にはできません(海外赴任への帯同など一部の例外を除きます)。

扶養家族の人数は、住民税の課税証明書や勤務先から受け取る源泉徴収票に明記されており、税務手続きや永住申請の審査でも重要な情報になります。

会社員などが加入する健康保険では、「被扶養者」と認定された家族は、自分で保険料を支払う必要がなく、その分が扶養者の保険料に含まれます。一方、税金の「扶養控除」における扶養親族は、保険料の負担とは直接リンクしておらず、所得や生計状況に応じて控除を受けられる制度です。

さらに、扶養家族がいることで、年末調整や確定申告で「扶養控除」を受けられ、税金が軽くなるメリットもあります。

扶養の実態を証明する方法

扶養している事実を示すには、「家族へどれだけ生活費を送っているか」を証明する必要があります。もっとも一般的な証明方法は、海外に住む家族へ振り込んだ送金記録を提出することです。問題になりやすいのが送金の金額です。

国外に住む親族を税法上の「扶養控除」の対象にするには、2023年の制度見直し以降、年齢や事情に応じて年間38万円以上の送金が必要とされるケースがあります(例:30〜70歳の国外居住親族など)。

この金額はあくまで税法上の目安であり、入管が永住審査で公式に定めている基準ではありませんが、実務上は「生活費を負担しているかどうか」を判断する参考値として扱われることが多いと理解しておくとよいでしょう。

国外居住親族を扶養している場合、永住申請や在留資格の審査では、過去数年分の送金記録の提出を求められるのが一般的です。具体的な年数は在留資格の種類や管轄の入管によって異なりますが、就労系のビザでは5年程度、配偶者ビザでは3年程度を目安に求められることがあります。実際にどこまでさかのぼるかは、申請時の指示に従う必要があります。

送金記録を提出しなかった場合は、入管から追加資料を求める通知が届きます。

それでも証明ができないままにすると、「実際には扶養していないのでは」と判断され、許可が下りない可能性が高くなります。

なお、この年間38万円という基準は、2023年1月に開始された「国外居住親族に係る扶養控除の見直し」をもとにした目安です。東京都港区税務課の公式解説などが参考情報として広く用いられています。

参考:東京都港区税務課「国外居住親族に係る扶養控除等の見直し」

海外の家族を扶養に入れている場合の永住許可申請の注意点

海外に住む家族を扶養家族として申告している場合も、日本国内の扶養と同じ扱いで審査されます。たとえ申請者本人が日本で単身生活をしていても、海外に5人の家族を扶養していると届け出ていれば、「6人家族を支えられる収入があるか」が永住審査の判断基準になります。

そのため、海外在住の親族をむやみに多く扶養に入れると、必要とみなされる収入水準が大きく跳ね上がり、審査が不利になることもあります。実際に生活費を負担している家族だけを、適切な人数で扶養として申告することが重要です。

社会保険の扶養ルールが変わったことによる影響

税金の扶養(扶養控除)では、一定の条件を満たせば、海外に住む親族も「国外居住親族」として扶養対象にできます。

一方、健康保険では、2020年4月1日の制度改正により、原則として日本国内に住所があることが被扶養者の条件となりました。赴任帯同や留学など一部の例外を除き、海外在住の親族を健康保険の扶養に入れることはできません。

これは、日本に住んでいない家族が国内の医療保険を利用してしまうケースを防ぐためで、扶養認定の条件が大幅に厳しくなった形です。このように、「税の扶養」と「社会保険の扶養」では、海外居住の家族に対する扱いが大きく異なります。

不正申告のリスクを把握しておく

扶養家族の申告をごまかすことは、永住申請において非常に大きなリスクを伴います。「送金しているつもりだから大丈夫」という思い込みは危険で、近年は入管の確認作業が以前より厳格になっています。

近年は、永住申請で海外居住の親族を扶養に入れている場合、親族関係を示す書類や送金明細などの裏付け資料の提出が実務上ほぼ必須となっています。特に2010年代後半以降、税法上の「国外居住親族」に関する証明書類の厳格化と歩調を合わせる形で、入管でもこれらの資料を細かく確認する運用が強まっています。

【提出が求められる主な資料の例】

  • 親族関係を示す書類:出生証明書、婚姻証明書、戸籍謄本など
  • 生活費を負担していることを示す書類:送金明細、銀行通帳のコピー、送金証明書など

これらをもとに、実際に家族を支えているか、定期的に資金援助しているかが確認されます。

もし事実と異なる扶養申告(ほとんど送金していない、送金額が不自然 など)をしていた場合、入管は課税証明書や送金記録と照合するため、すぐに矛盾が見つかります。一度虚偽が明らかになると、永住申請が拒否されるだけでなく、すでに取得した永住権が取り消される可能性もあります。その記録は今後のビザ申請にも長く影響します。

実際に地方の入管でも、「送金証明が出せず永住が不許可になった」という例が報告されています。不安がある場合は、専門家に早めに相談し、申請書類の内容や送金の証明方法をきちんと整えておくことが不可欠です。

永住許可申請の収入要件に関するポイント

最後に、永住許可申請の収入要件に関して知っておきたいポイントをまとめました。

プラス面のある立証資料は積極的に提出する

収入基準を満たしていないように見えても、生活が安定していると判断できる要素がある場合は、その証拠を自分から示すことが大切です。たとえば、勤め先が家賃を全額負担している、生活費の一部を会社が補助しているといった状況は、課税証明書などの数字だけでは読み取れません。

こうしたプラス材料がある場合は、会社名義の賃貸契約書や住宅補助の社内規程など、実態を裏付ける資料を積極的に提出し、生活基盤が安定していることを具体的に説明しましょう。収入額だけでは判断できない強みを示すことで、審査が前向きに進む可能性が高まります。

扶養家族が多い場合は説明書を添える

扶養家族の人数が多い場合は、その背景を明確に伝えるために「説明書(理由書)」を添えると審査がスムーズになります。書類だけでは申請者の実情が伝わりにくいため、入管側が誤解しないよう補足することが重要です。

永住審査は提出資料だけを基に判断されるため、扶養人数が多すぎると「本当に生活を支えているのか」「収入と見合っているのか」と疑念を持たれやすくなります。特に10名以上を扶養しているケースでは、収入とのバランスを厳しく見られる傾向があります。

そのような場合は、以下の内容を含む説明書を準備するのがおすすめです。

  • 扶養対象者の状況(年齢・仕事の有無・疾病など)
  • 送金額や送金頻度、生活費の負担内容
  • なぜ申請者が扶養する必要があるのか(学費、医療費、家計を支える事情など)

こうした情報を整理して提出すれば、審査官に「扶養の必要性」や「生活が成り立っている根拠」を明確に伝えることができます。

行政書士に依頼すれば、入管に伝わりやすい文章構成に整えてくれるため、理由書の内容に不安がある方は専門家のサポートを活用すると安心です。

扶養人数を間違えて申告したときの修正方法

扶養家族の人数を誤って申告していたり、家族構成に変更があったりした場合は、そのままにせず早めに訂正することが重要です。申告内容が実態と異なる状態を放置すると、後の審査で不利に扱われる可能性があるため、正しい情報に更新しておきましょう。

修正が必要な内容に応じて、手続き・相談先は次のように分かれます。

修正が必要な内容

手続き・相談先

所得税(国税)の扶養情報

税務署で修正申告

住民税(地方税)の扶養情報

市区町村役所(課税課)

永住許可申請書の訂正

入管局への再提出、または行政書士を通じて修正

「間違えたまま申告していたら問題になるのでは…」と心配する声もありますが、誤りに気づいた段階で正しく修正すれば、通常は大きな不利益にはつながりません。

誤った申告内容を訂正したからといって、永住許可が必ず下りるわけではありません。しかし、誤りを放置しておくと「虚偽の申告」と判断され、審査に大きなマイナスとなります。そのため、気づいた時点で正しい内容に修正しておくことが重要です。

外国人向けに税務相談の窓口が設けられている各地方自治体が増えており、多言語対応の案内もあります。専門窓口を活用し、確実に正しい扶養人数へ訂正しておくことをおすすめします。

終わりに

永住許可を得た後も、家族をどのように扶養しているかは、税金の扱いや将来の入管手続きに影響します。単に海外へ送金していれば扶養と認められるわけではなく、「実際に生活を支えている事実」を示せることが前提です。

また、扶養家族の人数が増えるほど必要とされる収入水準も高くなり、審査も慎重に行われる傾向があります。特に海外に多くの家族がいる場合は、送金記録や支援の理由を説明する書面を整えておくことが不可欠です。

不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談し、証拠資料の準備や申告内容の整理を行うことで、スムーズな審査につながります。

しらき行政書士事務所では、初回無料相談を実施しており、お客様の現状をお伺いした上で、永住許可申請の要件の確認や必要書類の案内、申請手続きの進め方を丁寧にご説明いたします。

さらに、対面での面談が難しい方や遠方にお住まいの方、時間の都合がつかない方でも安心してご相談いただけるよう、ZOOM、LINE、WeChat、Skypeなど各種オンラインツールでの対応も可能です。

「早く永住許可の申請を行いたい」「確実に許可を取りたい」という方は、ぜひ当事務所の初回無料相談をご活用ください。

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